「CLUB SEVEN ZERO Ⅱ」感想

「CLUB SEVEN ZERO Ⅱ」観てきましたー!歌ありダンスありミニミュージカルにスケッチ満載のおいしいとこ取りエンターテイメントショーの噂はかねがね聞いていたので北翔さんが出ると知った時は嬉しかったです。しかし観劇行く暇ないと普段からピーピー言ってる私が半月の公演期間内で4枚もチケット取ってしまった…ちょうど例の報道あった頃で「これで見納めになるかもしれない」と危機感持ちまして、それにガンガン歌って踊る北翔さんに飢えていたのもありまして。さすがにちょっと取り過ぎたかなーと反省。しかし、通ううちに「これ中毒性あるな…コンプリートしたくなるやつだ」と考えを改めました。お陰で過密スケジュールで身体はヘロヘロだけど精神は充実!ただし1日おきで疲れるのだから私にはマチソワなんて無理だなというのも自覚しましたw 以下、ネタバレ満載の細かい感想行きます。

冒頭からテーマ曲と共に激しいダンスで魅せてくれます。歌い始めが北翔さんなのでファン的には「キターーー!!」と大盛り上がり。美しいファルセットを響かせてくれます。会場の音響のせいかもしれないけどこの辺轟音なので前の席の人は気を付けてね。全員動きがキレキレなんだけど、北翔さんは几帳面な性格そのままで崩さずにきっちり踊るタイプですね。どの瞬間を切り取っても絵になるのが私にも分かりました。フィギュアスケートの世界でバレエの基礎がある人と雰囲気バレエしてる人では、映像ではごまかせても写真だと差がくっきり出るというのを思い出しました。それにスタイルめちゃいいですね、ってこれは常日頃から言ってるけど私服では分かりにくいのが勿体ない。本人は和物舞台好むけどそれだと超絶スタイルが堪能できないのが惜しい。スタイルがいいからダンスも映えるし、姿勢がいいからスタイルもより良く見えるんだよね。

オープニングナンバーが終わった後は沙央さんとセクシーな黒のドレスで登場、ジャズナンバーを披露します。ペギー・リーの「Fever」という曲らしいです。これまたセクシーな衣装の男性陣を侍らせながら(並居る男性陣をアンサンブルのように使ってて贅沢!)歌う姿見て「パジャマゲームの頃と同じ人とは思えないなあ」と近所のおばちゃん目線で胸が熱くなりましたw 「しっくり来る自分ならではの女性性」を獲得したのが他人事だけど嬉しくて。

かっこよく締めた後で何の前触れもなくスケッチに移ります。ここでA、BパターンあるのですがAパターンはヤンキー青春物語、ある幼稚園の一幕、「下町ロケット」パロディの3本、Bパターンはご長寿ジェスチャークイズ、エジプト古代遺跡のキャバクラ、「おっさんずラブ」のパロディの3本。強いて言えばドラマのパロディがウッチャンの作るコント風味(夢で会えたらや笑う犬、今NHKでやってる番組)でAパターンの前2つがドリフ風味かなあ?個人的にはAパターンが好みでした。ドリフで笑いのセンス止まっているので。アドリブ好きならBパターンがおすすめかな。その中でも特にAパターンで出てきたスケバン蘭子の北翔さんコメディのセンスが光ってるんですよ。しょうもないおっさんギャグを繰り出すだけなんだけど相棒役の西村さんのツッコミ含めてリズムがいいから笑っちゃうんです。間の取り方が絶妙。今まで私が観たお芝居ではベイブもお銀も左近も阿国も周りのボケを受け止める役だったじゃないですか。本人はふざけられない。それが今回はのびのびボケることができてよかったねと思いましたw BパターンだとOL姿が「えっ誰?」という位普段のイメージと違って見えた。もっと良かったのは男装姿!細身のパンツスタイルで男役とは微妙に違うんですね。何この足の長さ!このスタイル!大事なことなので何度も繰り返しますw

更にA、Bパターン共通の西部劇スケッチがあります。これはアドリブコーナー。監督役の玉野さんの無茶振りに応えるコーナーです。これも回を重ねる毎にパワーアップして「オペラ対ラップ対演歌」とか「ターザン対自衛隊対くのいち」とか訳分かんないことになってましたw 百戦錬磨の人達が素で戸惑う姿は面白いし、どんなお題でも咄嗟に対応する頭の回転の早さに感心します。

 2幕はミニミュージカルからスタート。これがね、短い話ながら色んな要素がぎゅっと詰まってて見応えあるんですよ。歌の掛け合いも迫力あるしもっと話を広げられそうな余地を残しててあれこれ想像を巡らせてしまいます。禁酒法時代のマフィア抗争がテーマなんだけどそれぞれの個性に合った役で特に吉野さんと東山さんがめちゃくちゃ渋くてかっこいい。スケッチでトメさんやツーさんやC7-02や園長先生と同じ人だったとは思えないw 西村さんの業の深い刑事役も味わい深くて印象に残りました。そして北翔さんは女優としての演技が自然になりましたね。何の気負いも見られずすっと受け入れられました。それにフラッパーガールの佇まいが美しかった。沙央さんもだけどすらっとした体型だからスレンダーなラインのドレスが似合うんだよね。今の状態でもう一回ベイブやってみない?また違ったアプローチができると思うよいつか再演しようよ(しつこい)!終始シリアスな話だけどこれがあるからおふざけ全開のスケッチが活きる訳で。一本物で観てみたい!と思わせる佳作でした。

その後はお待ちかね50音順ヒットメドレーです。50音だから50曲あるのかと思ったらCM曲含めて70以上あるでやんの。よくここまで思いつくなあ。ペンライトはここで使うみたい。私プログラム以外物販には興味示さないことが多いんだけど「1500円でも4回行くから1回400円弱か…安い買い物だな」とけち臭い計算をして買ってしまいましたw だってあった方が楽しいもん♪ここでの運動量と早着替えはとても目まぐるしくてすごいです。おまけにアドリブもあるから演る方はたまったもんじゃないと思います。終わり近くになると客席降りもあってハイタッチもできる!クリエの最後列まで行ってくれます。それ考えると後方の通路側席はかなりおいしいかも。私が観た時は吉野さんが近くに来てくれたけど勢いに気圧されてひるんでしまいましたw あの位の圧がないと大劇場でも空気を支配できないんだろうな。あちこちの作品で引っ張りだこなのが分かりました。せめてもの応援にこちらもペンライト振り振りですよ!そして特筆すべきは北翔海莉が小室サウンドを歌ってるー!平成の歌を歌ってる北翔さんがとても新鮮でしたw ざっと思い返すだけでもTRFの「EZ do dance」「Overnight Sensation」安室奈美恵の「can you celebrate?」(彼女にこれを歌わせるの憎いですよねw)「chace the chance」、「try me」は沙央さんだったかな。よく考えたら世代的にど真ん中なんだよね。あと聖子ちゃんやZARDも歌ってたな。これがまた当たり前のように上手いんですよ。素人のカラオケなら飽きるほど聴いたけど本当にうまい人が歌うと(本家はさておき)こう聞こえるのかーと妙な納得をしてしまいました。踊りながら歌ってもブレないしね。自身のコンサートでは絶対にしない選曲だから玉野さんの采配に拍手です!もっとこっち寄りの路線でいいのよ。最後の「ん」は全員てRENTの「Seasons Of Love」ここでミュージカル曲持って来るか!コーラスの圧が強くてぴったりと揃っててとっても迫力あった。感動しました。ガンガン暴れて最後にしっとりと締めるのプロの仕事だなあと思いました。

最後になったけど言及していない方について。沙央くらまさんは「ひかりふる路」で映像で見たきりだったけど宝塚では小柄な方なのかな?と思ったらかなりすらりとしてクールビューティな方でした。喋る声はハスキーがかって高めなんだけど歌う時は低音なのが意外、何でもありの舞台にひるまずにはっちゃける姿がチャーミングでキュートでした。2人とも昔からの仲間同士って感じで女性陣の息もぴったりなのが微笑ましかった。大山さんは太っているのをよくいじられ自分でもネタにしてるけどダンスがキレキレなのがいいですね。一見不利な要素を自分のアイデンティティにしてるのはかなりの強みだと思う。世の中2枚目だけで構成されてないし唯一無二の個性派俳優として成長しそうだなと思いました。玉野さんは部長だけあってスケッチやミニミュージカルでは余り表に出しゃばって来ないけど50音メドレーでは縦横無尽に暴れまくるし、華麗なタップダンスを披露しててカッコよかったです。北翔さんとのタップ共演もあるよ。

でもですね、十二分に面白かったけどこれ観たら「北翔さんにミュージカル出て欲しい!」と余計に強く思ってしまいました。思い余ってアンケートにも書いてしまったよ、2回も!やっぱり彼女の本分は洋物ミュージカルだな。本人の好みとか仕事の縁とか色々あるんだろうけど彼女の魅力が一番発揮される分野はこっちだと思いました。すらりとしたプロポーション、心に染み入る芝居歌、卓越したダンス能力。やりたいこととできるものは違うんだよね。何でも器用にこなせる人だからそこんとこが分かりにくいのかもしれないけど身近な人が進言してくれればなあ、なんてことを考えてしまいました。

“「CLUB SEVEN ZERO Ⅱ」感想” への4件の返信

    1. コメントありがとうございます。4回観ても飽きないくらいの熱量とアドリブの引き出しがありましたね。癖になって毎回通う人が出るのも分かるなーと思いました。コメディもシリアスもアドリブもいける北翔さんはぴったりの人選だったんだったのでしょう。8月の明治座コンサートも行きたいです。

  1. 雑食さんの記憶力の素晴らしさに感心します。やっとクラブセブンを観ることができ、帰途で早速ブログを読ませて頂き、一々頷きながら思い出しているところです。
    今日の自己紹介で、「よくお手紙に水を得た魚のようと書いていただいてるんだけど、じゃあこれまでは?」と仰ってましたが、誰が見てものびのび、生き生きした姿なんですよね。
    西部劇Bでは、お年寄りという設定で、懐かしのジョンソン先生再来✨お婆ちゃんですけど。西部劇Aではレミゼでということでしたが、ご本人はあまりよく知らないということで、エリザベートで乗りきっていました。休日はよく観劇をと、以前の歌劇に書いていたと記憶してるので、ちょっと意外でした。洋物ミュージカルにもぜひアンテナを張って、歌って踊って芝居するみっちゃんを見せて頂きたいですよね。私もアンケート書いてきました。

    1. コメントありがとうございます。歌って踊ってコントもできる舞台、北翔さんに正にうってつけで「水を得た魚」その通りだと思います。エリザベートのアドリブ観たかったな〜その場にいられてラッキーでしたね。吉野さんは確かアンジョルラス経験者なんですよね。北翔さんがエリザを選んだのは、自身が出演したことのある舞台でないと流石に歌詞がすらすら出てこないということなのかもしれません。洋物ミュージカルについてはみんなで積極的にアンケートに書いて働きかけていきましょう!

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