映画「プロデューサーズ」感想

普段そんなに見ないんですが、今回は久しぶりに映画の感想です。9月に北翔海莉さんが出演した番組目当てで加入したWOWOW。10月中に解約するの忘れてしまい、せっかくなんでちょいと気になっていた作品をチェックする事にしました。適当に録画予約した中にあったのがこの「プロデューサーズ」(原題 THE PRODUCERS)という2005年のアメリカ映画。これが思わぬ掘り出し物でめっちゃ面白い!怪我の功名とか災い転じて福となすってやつですね!

この作品はちょっと変わった軌跡を辿っていて1968年の映画→2000年にミュージカル化してBWで大ヒット→ミュージカル版をまた映画化という次第らしいんです。だからこれはミュージカル映画。それも私の好きなMGM作品をオマージュした場面がてんこ盛り!スレンダーな美女がゴージャスかつセクシーな衣装を身にまとい脚線美を生かしてラインダンスを披露したり、シルクハットにステッキ持ってタップダンス踊ったり、宝塚みたいな大階段も出てきたりとにかく楽しい!それに最近よくある「CG粉を全体にまぶしました~」みたいな作り物めいた映像じゃなくて、人の手で作ったのがよく分かる温かみのある画面なのも好印象でした。いかにもセットめいた感じや車の中の映像もわざと昔の作品を意識したんじゃないかな(あるいは舞台のセットを意識したのかも)と勝手に思ってます。

それで内容なんですが…と、その前に。最初に断っておきますが決して万人におススメできる作品ではないです。はっきり言って不謹慎でお下劣で不道徳で悪趣味でダメな人はダメです。私自身は悪ノリやギリギリネタはOKというかむしろ好物なんですが。それでもいいよという方は読んでください。

ブロードウェイのプロデューサーマックス・ビアリストックはここんとこ失敗舞台続き。そりゃハムレットのミュージカルが「FUNNY BOY」じゃねw ある日マックスの事務所に会計士のレオ・ブルームが帳簿をチェックしに訪れます。その時「舞台がコケれば出資金を返さなくていい以上却って儲かるかも」というレオの呟きがマックスに閃きを与える。レオと組んで大コケ間違いなしの史上最低の舞台を作って大儲けしよう!という企み。レオはとんでもないと一旦は断るが、実はミュージカルの世界が大好きでBWのプロデューサーになるのが夢だったのです。会計士の仕事に嫌気が差していたレオはすぐに考え直しここにプロデューサーのコンビが誕生します。まずは最低の脚本探し、マックスが目を付けたのは「ヒトラーの春」という作品。名前だけでもヤバい臭いがするwww 2人は作者のフランツ・リープキンに会いに行く。フランツはドイツ軍の鉄兜と民族衣装の半ズボンという出で立ちでビルの屋上で伝書鳩を飼っていました。字面だけでもフランツのヤバさが伝わるでしょうかw ある解説には「風変わりなナチ愛好家」と紹介されていたがただの風変わりでないことは映画を見れば分かる…ヒトラーへの忠誠というか妄s…げふんげふん、かなりギリギリギリの描写で攻めてますw マックスとレオは適当に話を合わせ契約書のサインゲット!次は演出家探し。センスの悪さを基準にマックスが選んだのはコッテコテのゲイのロジャー・デ・ブリー。助手も皆ゲイという徹底ぶり。フレディ・マーキュリー型とかエルトン・ジョン型とかありとあらゆる種類を取り揃えてます。特に息ぴったりの秘書兼パートナーのカルメン・ギアはおすぎタイプ。因みにおすぎさんはこの映画大受けしていたようですw このカルメンがハマっててすごいなーと感心してたら中の人もゲイらしい。 ロジャーは「暗い話はイヤ」と乗り気でなかったがマックスがトニー賞をちらつかせると俄然やる気に。またサインをゲットだぜ!マックスとレオが事務所に戻ると今度は金髪の美女が訪ねてきました。ロクに英語も話せないスウェーデン人のウーラ。「親に貰った身体は出し惜しみしちゃダメ」とサービス精神旺盛だがダンス下手(中の人は本当はうまいんですよ)。彼女をキャスト兼秘書に加え役者は揃った。そしてマックスが裕福な老婦人を色仕掛けでたらし込み資金を調達。

ね、すごく悪趣味でしょ。ナチ狂信者、オネエタイプのゲイ、頭空っぽのセクシー金髪北欧美女、色狂いの老婦人。ダメな人はダメかもしれないけど、でも皆ノリノリで突き抜けてるから嫌味を感じさせないのです。不思議な表現だけど作り手の彼らに対する愛のようなものすら感じる。どうでもいいことだけど、個人的にはドリフの「公衆浴場で若いお姉ちゃんと遭遇できるとムフフしてたらおばあちゃんだった」コントを想起させるんです。「オェー」と言われるのに矢鱈ニコニコしているなぜか上品そうな老婦人達と息ぴったりの加藤志村w 

さて、主役のヒトラー役は適任者がおらず脚本家のフランツが演じることになったが、本番直前で健闘を祈る慣用句「Break a leg!」の文字通り本当に足を折ってしまうw そこで演出家のロジャーが代役に。ここで大きなミスが生じるのです。最低の舞台のはずがオネエのヒトラーが出てきたために「痛烈な風刺作品だ」と解釈され大喝采。それは2人の破滅を意味しました。最後までバラすのも野暮なので続きは映画を見てねという訳で、劇中劇の「ヒトラーの春」が本当にひどいんですww 美女たちが頭にソーセージやプレッツェル(ブッシュJr.が喉に詰まらせたアレですね)を載せて出てきたり、鉤十字の人文字を作ってぐるぐる回りながらそれを鏡に映して客席に見せたりとやりたい放題。悪趣味すぎてゲラゲラ笑ってしまったw 役者たちが自信たっぷりにドヤ顔で演じてるからシュール感半端ないのです!

とまあ、本当にひどい(褒め言葉)映画なんですが、これの元となったミュージカルはトニー賞12部門制覇したらしいですね。何かと悲劇の方が偏重されがちなイメージなだけにコメディがここまで評価されるのはすごいと思います。マックスとレオは舞台でも同役だったらしく、マックス役のネイサン・レインという人は芸名を「ガイズ&ドールズ」のネイサンから取ったんだって。実際ネイサン役もやっていたはず。レオ役の人はマイケルJフォックスぽさがあります。不謹慎ネタって最近は敬遠されがちだけど、私はこういうのも受け入れられる世の中の方が自由だなーって思うタイプなので純粋に楽しめました。それと往年のミュージカルが好きな人にはおススメです!

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