ツイッターに簡単な感想は書いたんですがネタバレ感想となると長くなりそうなんでこちらに書きます。ブログだと文章が長くなるのが悪い癖だけど今回は手短かに行くよ（最初に宣言しないとまた長くなるので自戒を込めてw）。
会場に着くまで意識しなかったんですがポピュラー音楽寄りとは言えガチなクラシックコンサートじゃないですかー。ソプラノ歌手とテノール歌手に囲まれてうちの贔屓大丈夫？とにわかに不安になってしまいました。声楽家はマイク着けないしまるっきりアウェーだし。
しかしそんな心配は杞憂でした。歌のうまさって声量だけじゃないから技量でカバーして北翔ファンじゃない観客をも魅了してたのが流石（実際は黒いピンマイク着けてたけどテノールの西村さんも同じの着けてたんだよね。あれは何だったんだろう？）。ただの贔屓目かもしれないけど一際拍手が大きかった気がする！歌い終わった後一瞬静かになりわーっと拍手が起きる感じ。こんな盲目的なこと自分のブログでしか書けないから、ホントここだけの話ですよw！
第一部はオペラとミュージカルの曲。北翔さんはまずキラキラした黒の燕尾服姿で客席通路から登場。遅れて来た観客を案内する劇場スタッフかと思ったら彼女なので驚いたw そしてソプラノの嘉目真木子さんと「メリーウィドウのワルツ」をデュエット。深く優しく包み込む低音が心地いいのに加え、宝塚仕込みの男役仕草がこれまたカッコいいんですよ。ハンナ役の嘉目さんを優雅にエスコートしてすごくエレガントな所作なのに歌にも神経を注げる細やかさ。宝塚時代の曲が聴けるとは思わなかったので嬉しかったです。嘉目さんは今度メリーウィドウのハンナ役をされるそうでドンピシャの選曲でした。2つ目はお馴染み「全ての山に登れ」。聴いたことあるよーと思っても生で聴くとまた感動してしまう。高音も駆使しながらゴスペル調の歌い方で、クラシックのコーラスとコラボしてるのがこれまた新鮮でした。観客席の反応も一際大きかったような気がする（※個人の感想ですw）。3つ目は第一部のラスト、ミス・サイゴンから「世界が終わる夜のように」テノールの西村悟さんとのデュエット。意外な選曲でびっくりしました。本人選ばなそうじゃないですか。でも新たなチャレンジは大歓迎。どんどん新しいことやって間口を広げて欲しい。どうしても声楽家の西村さんと歌い方が違うのが気になってしまったのでミュージカル俳優の方ともデュエットして欲しいな。また違って聴こえると思うので超期待してます。あと衣装もここで濃青色のAラインのドレスに変更、男装から華麗なドレス姿へと華麗な転身を遂げめちゃおいしい役どころだなと思いましたw 肩と二の腕が逞しかったけどw綺麗に着こなしてました。
ここで共演者の方について。ソプラノ歌手の嘉目さんはオテロの「アヴェマリア」がよかった。耳馴染みない曲だったけど印象的でした。美しくて舞台映えする人だと思いました。テノールの西村さんはこの人とりわけうめーなと素人ながらに思っていたら日本音楽コンクールで1位を取ったらしい。偶然にもコンサートの翌日、テレビで今年度のそのコンクールの模様をやってたんですよ。番組では特に声楽部門にフォーカスを当て、最終審査に残った声楽家達にインタビューをしてなぜ声楽家を志したか、なぜコンクールに応募したか、この職業に対する情熱と葛藤etcを聞き出してたんですが丁度このコンサートを見たばかりということもあり、色々と興味深かったです。西村さんはバスケ部の主将をしていたのが高3の夏に急に声楽の道に転身したとかで、もっと詳しい話が聞きたかったですw
ついでなんで声楽家にどんなミュージカル曲を歌って欲しいか考えてみました。レミゼなら「Bring Him Home」かなー。オペラ座の怪人だと「Music Of The Night」や「Think Of Me」かなー。ファントムの「My True Love」も捨てがたい。スカピンの「Into The Fire」や同じワイルドホーンでジキル&ハイドの「This Is The Moment」もいいなあ。我ながらベタな選曲だと思うけどこの辺聴いてみたい。
第二部はクリスマスソングメドレー。「ウィンターワンダーランド」や「サンタが街にやって来る」などお馴染みのクリスマスソングを編曲したもの。説明難しいけどこれまたよかったんですよ。ジャンルに囚われず色々な歌を歌って来た北翔海莉の真骨頂って感じでゴスペル風にもクラシック風にも変幻自在に対応してました。声楽家の方々やコーラスの方々と自由にセッションしてこういう所で経験の差が出て来るなと思いました。みんな楽しそうにパフォーマンスしていて、アレンジもよかったし、上質のエンターテイメントを見せてもらいました。
最後に紀尾井町って変な名前だなーと思ってたら「名古屋藩屋敷跡」という標識を発見、「紀州、尾張、井伊」の略だったんですね。紀尾井ホールの向かいにはホテルニューオータニがあって隣には上智大があっていいところですね。昔の面影はないけど高級住宅地だったんだなというのが伺えました。時間がなくて結局いつものとんぼ帰りだったけど2019年観劇納めにふさわしいいい体験でした。