「ノサカラボ 虎の牙」感想

8月に行った観劇感想を今になって挙げるという本当に自分のズボラさに嫌になってしまいます。この記事も途中まで書いてたけど、導入部の話題が既に古くなったので書き直している次第です。8月に比べると休演は少なくなったかな?でもまだちらほらありますね。世間一般はだんだん規制が緩くなってきたけど、舞台界隈はそうもいかないんだろうな。複数の現場を掛け持ちする人も多いだろうし、その人が媒介してあちこちのプロダクションを潰すわけにもいかないし。感染症の性質上如何ともしがたい。それでもやはり生の感動って何者にも変えがたくて、配信じゃ追体験できないんですよね。同じ空気共有してるのが嬉しくて台詞噛みすら愛おしくなるw そんな訳で、直前の休演の報に怯えつつ、今日も劇場に足を運ぶのです。

さて本題に入ります。去年12月に朗読劇「813」をやったノサカラボさんが今回取り上げたのは「虎の牙」。「813」の時がルパン38歳、「虎の牙」が45歳設定なんですね。ポプラ社シリーズが掲載順バラバラだったので、ルパンシリーズがルパン一代記としての性質を持っており、ルパンが年を重ねるごとに内面も変化しているというのは大人になってアバンチュリエで再読してから知りました。「813」の時は前作「奇巌城」のトラウマを引きずってかなりご乱心(言い方)なところもあったルパンでしたが、今回は精神的には安定ぎみでした。でも「813」の後から何してたの?という疑問が終盤になって明かされてどっひゃーw そう来たか〜書かれた年代的に仕方ないんだろうけどさすが帝国主義〜。フランス君もあの頃はヤンチャしてたよね〜。

そして、ヒロインに恋焦がれるのは毎度のお約束。007のヒロインや寅さんのマドンナと同じ枠だと思えばどうってことないのですが、女絡みになると天才的な判断力が鈍って途端に窮地に立たされるのにイライラしつつも「これこそルパンの醍醐味」と一周回って愛せるようになりました。中年で恋愛の修羅場くぐってる癖に、女性相手だと青二才の青年に戻ってしまうところがかわいい。話変わるけどフランス男って直情的で愛に目が眩みやすいイメージがある。このお話に出てきたソーブランもそうだったけど、昔読んだ「赤と黒」も、身分が低いけど頭脳明晰で優秀な主人公があっさり女で破滅する話で、主人公が貴族を蹴落として無双する話かと期待してた私はガッカリしたなんてことがありました。

前回の「813」もそうだったけど、原作が長編なのでとにかく盛りだくさんの内容なんです。だからジェットコースターのような目まぐるしい展開なんだけど、観客が置いてけぼりにならずすっきりまとめられていたの何気にすごいと思った。構成力半端なかったです。前回に続き未読で臨みましたがちゃんと内容把握できました。ルパンのお話は歴史ネタが出てくること多いんだけど、今回は幾重にも重なった男女の愛憎劇がメインだったというのもあるかもしれない。愛憎劇なら万国共通だし。ただし原作からしてスピード感重視で後で振り返ると「ん?ん?」というところあるので改めて原作読み返したいなあとは思いました。その分朗読劇としては疾走感あるのでドキドキハラハラ手に汗握りながら展開を追ってました。

キャストについてなんですが、2回目ということもあってルパンの関智一さんとルブランの木村良平さんの息が前よりぴったり合ってる感じがしました。今回木村さんは元ルパンの部下のマズルー巡査部長の役も兼任しており、ルパンの相棒という位置付けは同じながら、気さくな友と、真面目な刑事の2種類を演じてその変化が面白かったです。あとデマリオン警視総監に関俊彦さん。この人は警察側の人間ながらルパンに好意的なんですよね、それもそのはず。ルパンがルノルマン時代に目をかけていた部下だそうで。2人の関さんとも声優界隈では知らぬ者はいないくらいの有名人だけど、私くらいのニワカだと2人は兄弟だったと勘違いしていた時期があって(小声)さて、今回のヒロインフロランスは、花澤香菜さん。花澤さんについては私彼女のデビュー作見てるんです。ゼーガペインというアニメなんだけどまだ初々しかった彼女がこんなに成長してという、親目線でつい見てしまいます。今や引っ張りだこですよね。そしてキーパーソンのソーブランは梶裕貴さん。私みたいなアニオタじゃなくても知ってる人ばかりですごいな!隠し玉の金光宣明さんは、前回アンサンブルの一員として参加してたの覚えてるんですよね。なんか印象深くて。それが今回単独でパンフにも載ったということですごいじゃん!と思いました。

今回ルパンの朗読劇第二弾だけど、こうなると第三弾も期待しちゃいます。目まぐるしい展開や登場人物多いのが華やかで楽しい。あと、ルパンが変装するので、声優さんの声の演技でめくるめく違った表情を見せるところが朗読劇向きかなと。第三弾やるなら関さんの声でもう少し若いルパンが見たい。奇巌城とかカリオストロ伯爵夫人辺りかな。短編でもいいな。奇巌城だとせっかく今回ハッピーエンドだったのにまた……になるけどwくるくる変装するのがいいんだよな。ボードルレにはショタ声優さんで(18歳だけどw)。カリオストロならドロレスとクラリスの好対照さがミソかなあ。三世のアレと間違えて来る人いるかもw 短編だと軽やかな話が多いのでこれも楽しそうですよね。中期ならバーネット探偵社とかかななどと、色々想像が膨らむのでこの企画、まだまだお願いしたいところです!

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