ホームズ短編集全作品の一言感想 その1

前回記事書いてから「せっかく長い時間かけて読んだのにあの記事一つで済ますのはもったいないな」と気付きまして(発想がケチくさいw)、それプラス早くもタイトル見て中身が思い出せなくなっているwwwどれだけ鳥頭なんだ自分wそこで備忘録代わりという意味も含め短編集全作品一言感想てのをやってみます!核心的な所は避けてるけどほんのりネタバレ風味なので気をつけて下さいね。長くなるので今回は「冒険」と「回想」の2冊。

①シャーロック・ホームズの冒険
ボヘミア王の醜聞
アイリーン・アドラー登場回。女嫌いなホームズでも自分に比肩する知性を持った女性を分け隔てなく評価している所が好ましい。ホームズにとって知性の前では誰もかも平等なんだというのが分かる。
赤毛連盟
例の「身なりを見ただけで何でも言い当ててしまう」特技を披露したら「タネを知ったら大した事はないですな」と依頼人に言われしょげるホームズがかわいいw依頼人に課された仕事のヘンテコさと大胆不敵な犯行のギャップが面白い。新ロシア版6話の元ネタ。
花婿失踪事件
これは何となく先が読めた。むかーーし読んだ記憶がおぼろげに残っていたのかもしれないが。こんな事が本当に可能なのか、普通バレてしまうと思うのだが。
ボスコム谷の惨劇
これと次の「オレンジの種五つ」は似たような内容。それでも背景や小道具が違うので印象も変わって見える。ここでホームズは足跡から手がかりを掴むんだけど、足跡を調べるだけであんなに多くの情報が分かるものなのか?とずっと疑問に思っていた。
オレンジの種五つ
前の話と大元は似ててもこちらはちとおどろおどろしさと後味の悪さが残る。惨劇を防げなかった事や罪のない人間も犠牲になってる事や犯人を直接捕まえられなかった事(天罰が下ったと示唆されてるけど)やK.K.K.の存在のせいかな。
唇のねじれた男
グラナダ版で変装したホームズがワトソンを捕まえて正体を明かすシーンがあるんだけどホームズの表情がとても茶目っ気たっぷりで萌えてしまった!この話はとりあえずめでたしめでたしで終わるけどあの主人はこの後何で生計を立てたのか気になる。
青い紅玉
ホームズインクリスマス。犯罪の話なんだけどホームズの慈悲含め楽しくて温かい気持ちになれる作品。ガチョウの仕入れ元を探す時のワチャワチャしたロンドンの下町の雰囲気が面白い。事件解決の後ホームズ達はどんなご馳走を食べたのかしら。
まだらの紐
これ多分一番人気ある作品なんじゃないかな?原文だと紐=bandのことで作中に色々なミスリードが用意されてるんだよね。でも日本語に直すと紐としか言い様ないので面白さが十分伝わらず残念に思う。それでも面白い事に変わりはないけど。
技師の親指
依頼人が事件に巻き込まれて親指を失ってるのになぜか悲壮感なくカラッとしてる変な作品w事件解決後嘆く依頼人にホームズが笑いながらこの経験を元に友人を沢山作れるよとアドバイスしててそんなもんか?!と思ってしまった。
独身の貴族
この話グラナダ版でも見たけどホラー仕立てで複雑な話になっててこんな話だっけ?と原作読み返してしまった。元々は単純な話なんだけど。依頼人は最後よく握手できたなと思ってしまった。あれで精一杯というのは分かる。
緑柱石の宝冠
銀行に置いとくのは危険だから家に持ち帰るというのはまだ分かるが、それならどうして家族に教えちゃうかな?この時代はまだ守秘義務という概念がなかったのだろうな。
ぶな屋敷
個人的に好きな作品。「観察の目が行き届いてる都会と違ってのどかな田舎こそ犯罪の温床」と言うホームズの台詞が印象に残る。この話の依頼人は聡明な女性でホームズにお似合いかも?とワトソンは考えたらしいが何もなかった。多分ホームズはアイリーンのような危険なタイプが好みなんだと思うw

②シャーロック・ホームズの回想
白銀号事件
競走馬が失踪して調教師が殺された事件。当時の競馬界の裏側ってこんな感じだったのか。ここでも足跡追跡万能である。自分に横柄な態度を取った人間にはささやかな仕返しをするプライド高いホームズw
黄色い顔
謎解きまではどんな秘密が隠されてるのかとドキドキするが全てが分かれば何のことはない話。でも一番感動するのは最後の依頼人の選択。今とは違う時代だから決意するまで相当な覚悟が要ったかと思うけどよかったねえと温かい気持ちになれる。
株式仲買店員
いくつかある「高額の報酬に釣られ巻き込まれ」パターンである。それなのに舞台や小道具を変えれば全く違う話にできるのだからコナン・ドイルのストーリーテラーぶりがすごいのである。「鬼の目にも涙」って諺が当てはまるか?
グロリア・スコット号事件
ホームズの大学時代の唯一の友達が出てくる話。変わり者のホームズ青年に犬がガブリというエピソードが味わい深い。内容は前にもあった「平和に暮らしていた老人が過去の因縁で〜」のパターン。謎めいた手紙や壮絶な過去話が印象的。
マスグレーヴ家の儀式
ゴミ屋敷と化していたホームズの部屋をワトソンと片付けていたら「こんな面白いのあるけど?」で手が止まるという「片付けあるある」で話が始まる。弾丸で壁にビクトリア女王と書く有名エピもこの作品。新ロシア版でもドラマ化され原作では直接やっていない儀式のシーンがよく再現されている。
ライゲートの謎
ホームズが体調を崩し田舎に静養したところで事件に遭遇するという珍しいシチュエーション。ワトソンはホームズの身体を心配して事件から遠ざけようと奮闘するが、彼の一番の薬は謎解きなのだからそれは無駄というもの。体調不良をアピールして皆を心配させたり油断させておいてずかずかと調査対象の奥に入り込むホームズが面白い。
背中の曲がった男
「スカーレットピンパーネル」のミュージカルで「into the fire」という曲があるんだけど冒頭が「David walked in the valley」で劇中にデイビッドなんていないのに?と疑問だったが後でダビデの事だと知った…なぜ全然関係ない話をしてるのかと思われただろうが実はこの作品のネタバレなんだ…読めば分かる…
入院患者
本筋とは関係ないけど医者が開業する時別に経営者がいるというシステムが日本では馴染みないので不思議な気がする。あと経営者側が利益の4分の3も取るんだ…と思ってしまった。でもワトソンにはそんな人いないよね?出てこないだけなのか?
ギリシャ語通訳
マイクロフト初登場の回。彼は全部通して2回しか登場してないんですね。なのにこの存在感。キャラの立て方が素晴らしいとしか言いようない。窓から外を眺めながらのホームズとの推理合戦も本当に面白い。どうでもいいけどグラナダ版で犯人のビジュアルがムスカそっくりでびっくりした。見る機会があればぜひチェックして欲しい。
海軍条約文書
またグラナダ版の話になってしまうけどこの回の白いスーツを着たホームズが本当に美しい!特に木の根元に腰掛ける姿がそこだけ切り取って額に入れて飾りたいくらい!もちろん話自体も面白い。依頼人に種明かしをするシーンはホームズのお茶目な一面が見られるし、これまたどうでもいいけどチキンのカレー煮というのがおいしそう。この頃は既にインド料理の影響が見られたのね。
最後の事件
前にも書いたけど宿命のライバル扱いされているモリアーティがこれ一回だけの登場ってのが意外。何から何まで唐突で謎解きの楽しみよりもキャラクターありきの話と言うか。当時の読者はいきなりホームズ殺されてびっくりしたであろう。バリツってどんな感じだったのか気になる。

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