ホームズ短編集全作品の一言感想 その2

今回は「シャーロック・ホームズの帰還」と「最後の挨拶」の2冊です。一言感想なら簡単だと思っていたけど実際やってみると結構大変ですね…核心的なネタバレには踏み込みたくないし(それでも完全には無理なので少しくらいネタバレしてもいいやという方だけ読んでください)それを避けると大して感想もない作品もあるw反対に長々と語りたくなる作品もあるがここは一言だけなので…とにかく5冊のうち4冊まで頑張ったので次回は最終巻のみとなります。その次は長編だー。

③シャーロック・ホームズの帰還
空き家の冒険
謎解き自体はぱっとしないけど「ホームズさんが帰ってきた!それ宴の準備だ!祭りだソイヤソイヤッ!!」な話。ワトソンの奥さんは亡くなったという解釈でいいの?ホームズと共同生活させといた方が話作るのに都合がいいから手っ取り早くそうしたような気がしなくもない。
ノーウッドの建築業者
こういう仕掛けネタ好き。動機は悪どいがどこかトホホ臭のする事件。でもウサギ2匹でごまかせるの?と疑問も。
踊る人形
事件の凄惨さも相まって人形の暗号が気味悪い。ホームズが暗号を解読する手口がとても鮮やかで読んでてほほーと変な声が出る。それがうまくストーリーと絡み合っているのも完成度高い。
孤独な自転車乗り
忙しいホームズの代わりにワトソンが調査に行く場面があるけど、調査結果がしょぼいとホームズにケチョンケチョンにけなされるのが可哀想wよく友達やってられるなwその後ホームズが出向いて犯人と一戦交えるんだけどグラナダ版見るとファイティングポーズが独特wでも当時の闘拳スタイルを忠実に再現したものなんだろう。
プライオリスクール
高名な貴族の息子が寄宿舎のある学校から誘拐された事件。死人が出る大事件に発展したが元を辿れば家庭内の愛憎劇。自転車の跡を追ってホームズとワトソンが荒野を駆け巡る。
ブラック・ピーター
元船長が殺され部屋に何者かが侵入した跡もある。殺人犯とは別にもう一人関係している人間がいるので最初は謎が入り組んでいるように見える。そういやクリスティーのトリックはこういう形式多いよなと気付いた。冒頭銛を担いで肉屋で豚を刺しまくるホームズ萌え。
犯人は二人
「俺たち警察じゃねーし」とワトソンと二人覆面をして屋敷に不法侵入するホームズ。これだけでなく配管工に変装してメイドを口説いて婚約したりと今回やりたい放題。ここまでしたのに事件の根本的解決には関わっていないという。危険な任務だから君は残れと言うホームズに僕も行かせろ!と言うワトソン。少しためらった後「同じ牢獄に入るのも悪くはないな」と笑うホームズ。この辺りからコンビ萌えな場面が増えてくる。
六つのナポレオン
特に価値があるわけでもないナポレオン像が壊される事件が続発。とうとう死人まで出てしまった。自分の家で事件が起きたのにアワアワして特ダネを逃しそうな憐れな新聞記者にウソを吹き込んで記事にさせて犯人を油断させるホームズ。曰く「新聞ほど価値の高い機関はない、その使い方を知っていさえすれば」。
三人の学生
試験問題を誰かが盗み見した!容疑者は3人の学生。現場には手がかりが残されていてそれを元にホームズが捜査するのだが事件解決後に明かされる真実がもし前もって分かっていれば面倒な捜査をせずに済んだのでは?と思ってしまった。
金縁の鼻眼鏡
殺された青年の手には犯人の物と思われる金縁の鼻眼鏡が握られていた。しかし犯人の逃げ道はどこも塞がっていた。ではどこに?へ至るホームズの推理が鮮やか。正に「他に可能性がなくなればどんなにあり得なそうな事でもそれが真実」である。
スリークォーターの失踪
ホームズを何度も出し抜く狡猾な敵対者…と思ったら実はのパターン。注射器を手にするホームズを見てギクリとするワトソン。でも謎解きの最中はやらないよね、コカインは死ぬほど暇な時にたしなむもの(おい)。
アビ屋敷
アビ屋敷の主人が殺され、近隣を荒らしていた盗賊団の犯行と思われたが…ここでもホームズは警察ではなく一介の私立探偵の身であることに気付かされる。最後の大岡裁き(そこに至るまでちょっとした罠を用意してる所も面白い)がスカッとする。
第二の染み
せっかくホームズ復活したのに!養蜂の研究とか何とか言って引退してしまった。また殺すと反響が大きいから引退という形にして穏便に済ませたつもり?と邪推したくなる。「犯人は二人」と少しだけ似ている。

④最後の挨拶
ウィステリア・ロッジ(前編・後編)
何の変哲もない平凡な男が殺人事件に巻き込まれた。ウィステリア・ロッジという屋敷に招待されたがそこに泊まった翌朝家はもぬけの殻、使用人までいなくなっていた。やがて屋敷の主人は別の場所で殺害されていたことが分かった。他の作品と違うのはいつもホームズの後塵を排している警察側の人間が有能でホームズと互角の働きをしているところ。これ1回のみの登場なのがもったいない。
ボール箱
犯罪とは無関係そうな平凡な婦人の元にボール箱に入った2つの耳が送られて来た。かなりショッキングな事件だがもっとゾッとするのは事件の動機。元から狂っていた犯人ではないだけに何ともやりきれない読後感。後期になると少しずつ作風が暗くなってるような気がするのは気のせい?
赤い輪
仕事が忙しくて依頼人を厄介払いしようとしたが褒め言葉にあっさり態度を翻すホームズw前にもあったけど案外おだてられると弱いよね。正体不明の下宿人の調査だったはずが話はとんでもない方向に…
ブルースパーティントン設計書
「ギリシャ語通訳」に続きマイクロフト再登場。下級役人ながら国の中枢を動かす重職を担ってるって何だそれ?行動力ゼロの兄とレストレード警部も参戦して犯人の家に浸入するのが面白い。ホームズ復活後では一番好きな作品かも。
瀕死の探偵
女嫌いの癖にハドソン夫人のハートをがっちり掴んでるホームズ。器用すぎて腹が立ってくる。今回は息も絶え絶えの中ワトソンにお使いを頼む。幾ら苦しいからとは言えワトソンを医師として無能呼ばわり。それでも病気なら仕方ないと寛大なワトソン本当に人間ができてる。
レディ・フランシス・カーファックスの失踪
大金持ちの貴婦人がヨーロッパ旅行中失踪した。彼女の足取りを追ってホームズの代わりにワトソンが調査に向かった。「孤独な自転車乗り」の時も同じようなことがあったけど前と同じくホームズに調査が下手くそとバカにされる結果に。だったら最初から自分でやれよ…ワトソンのソフトな書き方で救われてるがホームズ相当ひどい奴ですよ。
悪魔の足
体を壊してコーンウォールに静養に行ったホームズとワトソンだがそこでも事件に巻き込まれる。危険な実験にワトソンを巻き込んでしまい心の底から謝罪するホームズ。皮肉屋が束の間に見せた真摯な態度に感動して「君を助けるのが私の一番の喜びであり名誉なのだ」と話すワトソン。ワトソンいい人すぎるんですけど!!
最後の挨拶
ホームズ物には珍しく語り手が第三者になっている。しかも現役中の話でなく引退した後に久しぶりに依頼を受けて、第一次世界大戦中にドイツのスパイの陰謀を暴くという話。シャーロック・ホームズ=ビクトリア朝というイメージだったのでちょっとびっくり。そういやここには車が出てくるね。

 

 

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