オペラ座の怪人 25周年記念公演 in London プラスα

YouTubeでミュージカルの動画を見て、ってしつこくこの話題で申し訳ないんですが、オペラ座の怪人の動画は有名作品なだけあって多いんですよ。それのコメント欄見ると「ラミン最高」「ラミンには敵わない」「ラミンの声聴くと妊娠しちゃう(どこでも同じ事言ってるなw)」とどこでもラミンラミン、2ちゃんなら「ラミン厨は巣に帰れ」と言われる位ウエストエンドでファントムを演じたラミン・カリムルーの評価が高いんです。私これでも劇団四季とウエストエンドで2回舞台を観る位はこの作品好きで25周年記念公演の存在も知っていたのですが、レミゼの25周年記念コンサートは映画館まで観に行ってテレビで放送された分も録画したというのに、こちらは何だかんだで観るチャンスを逃したままになってたんです。そんなにラミンがいいのならこの機会に彼がファントムを演っている25周年記念公演観てやろうじゃないか!という次第でソフト買いました。

ここでオペラ座の怪人に対して私がどんな解釈をしているかを先に説明します(怒らないでね)。一言で言うと「一芸に秀でたコミュ障で社会不適合なオタクが若くて美しいアイドルにハマってしまい見苦しく立ち回った挙句自滅する話」だと思ってますw昔映画版がテレビで放送された時2ちゃんの実況が「クリスティーヌ:このクソビッチ、ラウル:リア充氏ね、ファントム:俺たちのファントムさん」だったの本当にウケるんだけど、本質的には間違ってないと思う。すごいのは現実にいたら誰にも共感されようがない存在に光を当て、悲しい運命に誰もが涙する美しい物語に昇華させたこと。ロマンチックで煌びやかな音楽と美術でコーティングしてるけど、泥臭い葛藤や情念が底に流れているからこそ多くの共感を得られたのだろうと思うのです。

実は最初からこの作品好きではなかったんですよ。最初に観たのは劇団四季の舞台だったんですが面白さがいまいち分からなかった。当時うら若き乙女だった私はクリスティーヌの等身大フィギュアの意味する所を察してドン引きしてしまったんですね(本当のうら若き乙女はそんな深読みしないっつーのw)。まだ若かったんでキモオタの悲哀なんぞ理解できなかったのでしょう。それに昔のことなんで余り覚えてないけどなんか小さくまとまってんなと言うか。それが大人になってウエストエンドで観たら本当に良かった!私が観たのはラミンではなかったけれどパワフルで悲しいファントムで感動しました!劇場もこぢんまりとした古い雰囲気のある建物で1幕の最後シャンデリアが落ちるでしょ、あの時1階席に降りかかるようになってるんですね、それで観客をオペラ座の観客に見立てている演出なんだなとやっと分かった。日本で観た時は日生劇場だったけどそういう風にはなってなかったので分からなかったんです。

やっと25周年記念公演の感想だけど、結論から言うとめっちゃいい!何で今までチェックしなかったんだろう?!このブルーレイが1300円で買えるなんて安すぎる!5000円でも迷わず買うよ!!とメーカーの回し者みたいな事を言ってしまいましたが、ホントそれ位よかったです。

レミゼコンサートを先に見ていたせいでスタンドマイクで歌うのかなと想像してたけどこちらはほぼステージ形式。出演者は通常の舞台より遥かに多い、特にダンサーが充実している。1幕のハンニバルと2幕冒頭のマスカレードは豪華絢爛です。役者も普段より気合いが入っているような気がする。テレビ番組でラミンとクリスティーヌを演じているシエラ・ボーゲスがタイトルソングを歌うのを見てそれもまあ確かにうまいのだけど、このステージでは2人とも全身全霊で打ち込んでいるのが伝わってくる。ここまで完成度高いとセットが一部違う(シャンデリアが落ちて来ない、例の等身大フィギュアが出て来ないなど)のが殊更惜しく思えてしまうのが唯一の欠点。

YouTubeで皆がラミンラミン連呼する理由が分かった気がする。とにかく声の圧力がすごいんだよね!スコーンと抜けるようなテノールで自信に溢れ若々しくて狂気も垣間見えて。圧倒的オーラとはああいうのを言うんだろう。それでいて弱々しくなる場面では捨てられた子犬のように憐れでそのギャップがたまらない。素顔は少しタレ目で愛敬があるので尚更可愛らしく見えてしまうのかもしれない。あれを見たら誰でも全力で守ってしまいたくなるよw対するクリスティーヌのシエラ・ボーゲスも並々ならぬ気迫で迫ってくる。何せビッチに見えないwww(ここ大事!)ファントムにかなり気持ちを残してるけどそれを嫌らしく感じさせないそんな絶妙な演技。2人の相性がいいのかもしれない。ラウルも単なる軟弱男でなくて力強さがあり、ファントムときちんと対峙してたのも良かったんだと思う。

とにかく細部まで作り込まれ、後世まで記録に残る最高の舞台を作ろうという気概が感じられるし、作り手の愛情の深さを感じさせる公演です。レミゼコンサートも感動したけどこちらの方がステージ形式のせいかよりまとまっている気がする。このクオリティが1300円なんて安いから(大事な事なので2回言いましたw)ぜひ見て欲しいと思います。

さて、これからはタイトルにあるプラスαの話。前記事の「バイバイバーディー」を知ったきっかけは、実は前記事で紹介した動画と同じ高校が「バイバイ〜」の翌年にめっちゃ完成度の高い「オペラ座の怪人」を上演しててそちらを先に見たからなんですね。高校生が?!って思うでしょ?「バイバイ〜」と比べ難易度が半端なく高いのに無謀な!技術も予算も何もかも!そりゃ憧れの演目なのは分かるけど…でもこれがすごい出来なんですよ。裏話を聞くと、ファントム役の子が体壊したり本番前3週間も学校休んでリハーサルしたり、ラウル役の子が本番直前に転倒して脳震盪になったり、本番まで全通しをしてなかったりなどなど壮絶だった様子。制作費は8万ドル!チケットの売り上げや寄付やスポンサーからの援助で賄い、うち1万ドルはシャンデリアにかかったとか。そんな背景があったせいか崖っぷちで切羽詰まった必死さが懸命に生きる舞台上のキャラクターにうまく投影されていて迫力のある舞台に仕上がっている。前年の「バイバイ〜」でアルバートとローズを演じた2人がそれぞれファントムとクリスティーヌになっているのだけどとても上達している!もちろん前からうまかったけどそれだけじゃこの難解な演目はこなせなかったと思う、相当努力したんだろう。歌もいい(特にファントムの声がね!!ホントに聞き惚れる!)んだけど、演技が上手でラストシーンは純粋に泣かされてしまう。それ以外の役者、特にラウルとカルロッタもうまいし、オーケストラ、衣装、舞台装置、照明、音響、カメラワークもまとまっていて、一体どれだけの大人が影でサポートしたんだろうと想像してもし尽くせない。とにかく観ているうちに高校生ということを忘れてしまいます!ツイッターでも上げたけどここでも動画を紹介しときますね。

“オペラ座の怪人 25周年記念公演 in London プラスα” への2件の返信

  1. 雑食さん、こんにちは。
    (zasshokuさん、と表記すべきですよね。今更ですが。
    「オペラ座の怪人」は宝塚でも上演されていますが、私は未見です。古い映画を観てヒロインが執拗に仮面の下の素顔を見たがったくせに、いざ仮面をはずされて素顔を見たら、おののいて失神、という場面がひどい!という感想に支配されて拒否反応が起きてました。美醜で差別するストーリー自体、あんまりではないか、と。
    それが5年ほど前に劇団四季版を観劇して、演出によって評価が変わるかな、と感じ、宝塚版はもう少し共感出来る脚本だと聞かされて、食指が動いてるところです。本当はガストン・ルルーの原作をまず読みたいのですが。(今現在、高橋克彦の蝦夷シリーズにはまってるので先の話になりそうです。)
    ヅカの円盤の値段に慣らされた身には、ご紹介のソフトのお買い得感がすごいです。
    この記事の最後のブロックの高校生演劇のくだりに感動の涙が出ました。演劇って素晴らしい。私は40代後半で初めて観劇の面白さに目覚めましたが、若者が若さの全てを捧げる価値のあるものですね。スポーツでも芸術でも、その時期に健全で価値あるものに打ち込んで欲しいと思ってます。
    いつもコメントが気まぐれですみません。
    記事や返信をじっくり読んでから、と思ってると入力する気力がなくなってしまうので、支離滅裂を承知で勢いで書いてみました。

    1. いつもコメントありがとうございます。声に出して読めばどちらも「ざっしょく」なので表記はどちらでもいいですよw
      宝塚の「ファントム」はイェストン&コピットバージョンですね。これには因縁があって、アンドリュー・ロイド・ウェーバー(以外ALW)の「オペラ座の怪人」と同時期に制作していたのがあちらが先に上演され大反響を得たので一度頓挫してしまった作品なんです。そこで歌の部分を省いてドラマ版としてTVで放映しました。私もNHKで見たことあるのですが、皆どこかぶっとんでいるALW版とは違い、こちらの登場人物は人間臭く感情移入しやすい印象でした。ファントム(ここではエリック)もエキセントリックな芸術家というより愛情に飢えた大人になりきれない青年という側面が強いです。また、親子愛が描かれているのもこの作品の特徴です。しばらく宝塚で上演してないようなのでそろそろ再演するかもしれませんね。
      クリスティーヌはやはりここでもひどくてwただ失神するだけじゃないんです、その直前に「私の愛を受けと〜めて」と美しい歌を歌ってエリックを優しく諭し仮面を外してと懇願するんです。それで頑なだったエリックがやっと仮面を外したらいきなり失神www観客はポカーンですw(大沢たかお主演のミュージカルで見ました)
      そんな突っ込みどころはありますが、これはこれでいい所があるので(ALW版のような派手さはありませんが)今度宝塚で上演されたら私も見たい気持ちがあります。
      ハイスクールミュージカルについてはここでは紹介しなかったんですが、ある人が自身が高校時代に出演している動画を上げててなかなか上手だったんですけど、同じ人が何年か後にライブで歌ってる動画を見たら段違いに上達してて、歌うのをやめずに続けたんだなあと見ず知らずの人なのに感動したことがありました。こんな発見もあって動画漁りやめられませんw

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA