前回「オペラ座の怪人」の記事を書きましたがこの勢いに乗って続編と言われた 「Love Never Dies」見ちゃいました。前から賛否両論の評判(殆んど否ばかりだったけど)は聞いていたけど、せっかくなので自分の目で確かめたくなって。そしたら自分の中のツッコミセンサーがビンビン反応してしまったw見る前によく参考にしているamazonのレビューチェックしたら意外にも評価高くてちょっと驚いたんだけど、詳しく読んでみると万人にはお勧めしないとかダメな人はダメですとか書かれてて手放しで褒めているものはそう多くない。実際見たらその理由がわかりました。今回はネタバレなしの総評とあらすじを追いながらのネタバレ感想に分けますね。
まず思ったのが「貴方の同人作品を一流のスタッフが舞台化してあげます!」みたいな企画でもあったのかな?ということwそれ位「同人でやれ」案件です。ファントム可愛さの余り彼をひたすら美化し、それ以外のキャラは公式設定無視してとことん貶めて己の妄想をありったけつぎ込んでいる。いや、こんなこと言ったら同人作家に失礼だな。これより上質な二次創作なんてごまんとある。てっきり「オペラ座の怪人」見てすっかり魅了された二流作家がそこいらの出版社から出した本をアンドリュー・ロイド・ウェーバーが目を付けて原作にしたのかなと思ってたら、何と最初からウェーバーが依頼して続編としての小説を作らせたらしいね!もっとマシな作家いなかったのかよ!
私が見たのはオーストラリアの舞台を映像化したものなんだけど、役者さん達は奮闘してるんですよ。プロってすごいなあ。多分演じながら「俺何やってるんだろう…」と自問してるんじゃと勝手に想像してるんだけど、そんなこと微塵も感じさせない熱演です。ロンドンの舞台では25周年記念公演に出たラミン・カリムルーとシエラ・ボーゲスが演じたらしいけど(才能の無駄遣いすぎる)オーストラリア版のファントムとクリスティーヌもかなりうまいです。二人とももっとちゃんとした舞台に出させてやってよ!と思ってたらファントム役のベン・ルイスはこの9月からウエストエンドの「オペラ座の怪人」のファントムになったらしくホッとしましたw一方のクリスティーヌ役のアンナ・オバーンはどこかで名前見たことあるなと思ったらジュリー・アンドリュースが演出する「マイフェアレディ」のイライザ役の人だった。
さっき書いたようにストーリーは壊滅的なんだけど困ったことに歌はいいんですよw前作ほど一発で耳に残る曲はないけど、さすがアンドリュー・ロイド・ウェーバーと思わせる美しいメロディ。あと美術もいい。舞台が20世紀始めのアメリカでアングラでキッチュでどこか禍々しい見世物小屋のような雰囲気。「ファントムってハイカルチャー志向じゃなかったっけ?」と大いなる疑問は残るけどかなり美術の人頑張っている。そして役者も揃っている。ガタガタの屋台骨を一流のスタッフとキャストが必死で支えているという図。しかしブロードウェイまで運ぶ体力はさすがになかったらしい。amazonで歯に物が詰まったような表現でも評価が高いのはこういう理由だと思う。
長くなったので一旦休憩。次回はネタバレありのレビューになります。