ツイッターで散々やかましく呟いてすいませんでした(やかましく呟くって日本語おかしいw)。ミュージカル「パジャマゲーム」観てきました!正に「そうそう私こんなミュージカルが観たかったんだよ!もう幸せ!帰りにおいしい物でも食べようか!」って感じ。掛け値無しに楽しめる作品です。確かに日本ではこういう演目少ないと思う。まだ興奮しててまとまらないけど感想書きますね。テンションがおかしかったらごめんなさい。当然の如くさらっとネタバレするのでご注意を。
まずはあらすじ。舞台は1954年、アイオワ州にあるスリープタイト社のパジャマ工場。工員たちは7セント半の賃上げを会社に要求しながら毎朝8時からせっせと働いている。そこへやって来たのがイケメン工場長シド。一気に女性たちの注目を集めるが、彼は苦情処理委員のベイブに一目惚れ。ベイブも口では強がっていたが、会社主催のピクニックで一気に二人は惹かれ合う。しかし経営者側と労働者側という立場の違いがあった。そんな中社長から賃上げを断られる事態が起きた。工員達はわざと仕事の質を下げて抵抗したがシドに叱責される。しかしベイブがラインを滅茶苦茶にしてしまいシドにクビを言い渡され…
脇キャラも実に個性的で、セクシーで美人な社長秘書グラディス、その彼女を好きな元ナイフ投げのタイムキーパーハインズ、シドの唯一の理解者であるチャーリー、女好きだけど組合の仕事はきっちりやるプレッツ、酸いも甘いも噛み分けたシドの秘書メイベルなど個性豊かなキャラクター達がわちゃわちゃするのです。
やはり古い作品だなというのは否めないwシドとベイブは最初の方で唐突と言っていいくらいあっさり恋に落ちるんだけど、今だったらその過程をもっとじっくり描写するよなあと思うし、「何もそんな事歌にしなくても?!」なナンバーもある。ハインズが時間の大切さを説く歌とかHernando’s Hideawayも曲は有名だけど他愛もないきっかけで歌われるよね。前に紹介した「バイバイバーディー」(1960年)もエド・サリバンショーに出られると知っただけで賛美歌みたいの歌ってたしw昔の作品の方が日本でミュージカル嫌いの人が言う「唐突に歌が始まる」シチュエーションが多い気がする。ストーリーもちょっとご都合主義と言うかw困難に見えた労使交渉もシドがあっさり二重帳簿を見つけて解決するし現実にはこんな簡単にいかないよ〜とは思うw
最初に腐してしまいましたがこれは後に続く賞賛の前置きですwそんな粗を吹き飛ばすくらいこの舞台は並々ならぬエネルギーがあるのです!その理由の半分位はトム・サザーランド氏の演出とニック・ウィンストン氏の振り付けにかかっているのかなと思う。古典的脚本だけど演出は大胆。暗転がなく役者が人力でセットを動かして場面展開しているのも斬新。「こう来たか」や「こんなの見たことないよ!」のオンパレードである。演出でこんなに変わるんだ?!と驚いた。そしてこれについてくる演者のポテンシャル!よくこれだけ身体能力が高い人達集めたな。つーか身体能力高くなければ舞台俳優にはなれないのか。ピクニックの場面は圧巻だし(木もよく見ると…!)ミシン台を縦横無尽に移動させるだけでも大変だろうに。おまけに歌もダンスも演技もできなくてはならないのだから。難しいことを簡単そうにやって見せ、持てる技術を惜しみなく披露して舞台の隅々までエネルギーがほとばしっている。ダンス!歌!ダンス歌歌ダンス!みたいな。
それに役者さん達の魅力も十分に引き出されていたと思う。彼等のうちの何人かが前に出ていた舞台観たことあるんだけどその時はここまでできる人だとは思わなかった。活躍の場面が与えられてなかったんだと思う。でもこの作品はアンサンブルまで大活躍で一人一人が輝いて見える、主要キャラは直接説明されていない背景まで想像できてしまう程に人物像がくっきり浮かび上がっている。ここには悪人はいない、悪い社長にすら温かい眼差しが注がれている。ある意味人間愛みたいなものに満ちているのだ。
そしてシドとベイブ。彼等が38才と35才と聞いてえーっ!と声を出しそうになったんだけど臆面もなく好きー!とか愛してるー!とか何度も言っていて、もー観ているこっちが恥ずかしくなるよwこれも現代の作品なら「都会の生活にくたびれ大人の恋愛の駆け引きに嫌気が刺し田舎町で心機一転を図るシドと年老いた父親の面倒を見ながら半分結婚は諦め気丈に振る舞うベイブ」みたいに描かれるのかもしれないがそれじゃコメディにならないかwもしかしたらそんなバックボーンがあるのかもしれないがそこまで言及されないし、ひたすら10代みたいにピュア。もっとアラフォーってよれよれでほつれが見えるじゃんwとは思うのだがとにかく舞台の完成度が高いのでそんな事気にならず遠慮なくキュンキュンしまくりなのである。
正直38才と35才にキュンキュンさせられるとは夢にも思わなかった(また年齢の事言ってる)!ベイブが意固地で不器用で見ててやきもきしてしまうんだけど、それが男役からの脱皮を図ろうとしている現在の北翔さんにリンクしてると言ったら言い過ぎかな。男役の仕草が時折垣間見えて華奢とは言えない体型で、でもそういう姿が逆にベイブという人間像に当てはまる気がする(海外のベイブはもっとフェミニンな人が演ってるのも多いんだけどこのベイブみたらイメージが固定されてしまった)。「プロならどんな役でもこなせよ」と思う時もあるんだけど、その人自身が背負ってる物と役柄が化学反応を起こすととてつもない効果をもたらすことがある。これは完全に想像なんだけど彼女も退団後初めての舞台で当たり前だった事が通用せず戸惑いも少なくなかったのではないかな?(こんな生意気な事言ってファンの方すいません!)もちろん伸びやかな歌声でうっとりしてしまうし(彼女の包み込むような歌声好きなんですよ!うまく言えないけど大きな世界観がある気がする)技術はしっかりしてるけど、どこか模索しながら取り組んでいる感じもしてそれが却って彼女をベイブたらしめてるのかなと。何でも器用にこなす女優さんではこのリアリティは出せなかったと思う。でも「男役がコスプレしてる感」はないんですよ、デレる時は徹底的にデレてまあこれが可愛いの何のって!それまでかっこいいイメージしかなかったからこんなに可愛いんだ!って驚きました!おまけにセクシー、でもいやらしくないの、健康的なセクシーさってやつでこれまた驚きですよ。スタイルも抜群。これならシドも惚れるよね。
シド役の新納慎也さんとの相性もいいんだと思う。声のハモリも美しい。海外バージョンを見るとシドって雄々しさが目立つような気がするのたが、新納さんは優しくて包容力があってプライド高くてちょっと寂しげなシド像を作り上げている。本人は「二枚目に徹していて自分の色を出すことを封印している」と言ってたけどそれでもお茶目さが漏れていてとてもチャーミング、それは役者の個性から来ているのかな。これならベイブも惚れるよね。歌声も甘くて伸びやかで想像以上でした。
その他のキャラも光ってます。シドとベイブの物語というより群像劇みたいなイメージなのは脇キャラがとても立ってるせいだと思う。グラディスの大塚千弘さんはとにかくセクシーで可愛くて面白くてHernando’s Hideaweyとにかくよかった!ハインズの栗原英雄さんは真面目な役が多いイメージがあったのでこんなにコメディハマるんだ?!と意外だったしメイベルとの掛け合いも白眉でした。チャーリーもプレッツも歌うまで見せ場があって(チャーリーがいい人すぎて切なかった、プレッツのワイフ呼びはうまく訳したなと思う、彼のイメージにぴったり)メイベルも愛敬たっぷりで社長までなぜか憎めないし、ホントみんな愛おしい!
それだけじゃないんです(ゼエハア)!衣装も素敵で50年代のレトロなフレアスカートがたくさん見られて幸せ。あの時代のファッション好きなんで眼福。色使いもオシャレで目が足りない。ベイブの衣装は映画版をオマージュしつつ白と青で統一してて彼女のイメージにぴったり。女子工員はオシャレだし、男子工員はオーバーオール、経営者側はスーツと分かりやすい。あと生オケだから迫力あるし曲も一度聴いただけで耳に残る。今も「きょーおーはねんにいちど」って頭の中でリフレインしているw
まとまらなくなってしまったけどとにかく楽しいです。アメリカが一番輝いていた50年代だからこそ作れた作品なのかなと思う。内容は明るいけどよくまあ労使交渉をテーマにしたなとは思うw労働者が中心のミュージカルなんてね。これは資本家の嘘を暴いて労働者が権利を勝ち取る物語でもあるんだよね。そういう所が寓話とわざわざ断ってる所以なのかな。でも現代の日本では賃金に不満を持ちながらも仕事の手は抜かない(と言うか何となく抜けない)だろうからそこが違うなあと思ったw
zasshokuさん、こんばんは。
zasshokuさんがパジャマゲーム観劇してくれるなんて感動です。
今夜は3回目の観劇でした。過去2回はどちらも1階の中ほどより後方で見通しの良い席でちょうど良かったのです。今夜はなんとほぼ最前列、舞台に近過ぎて全体が見えず、役者のあらが見えてしまいました。その替わり今まで目が行ってなかった役者さんたちの顔を覚え、メイベル役の阿知波さんの可愛らしさを堪能出来ました。
実は今日は特別に出待ちがあり、久しぶりに素のみっちゃんは華奢で顔が小さくて、すっぴんなのに舞台よりきれい、可愛らしい天使かな、夢だったかな、ってとても眠れそうにありません。
ほぼ最前列!すごい!羨ましい!!私は1階席後方で見たのですが北翔さんのおみ足とかキスシーンとか双眼鏡掲げてガン見してしまって「変態かよ…」とセルフ突っ込みしてましたw
メイベル可愛いですよね〜私も大好きです。歌も聴き取りやすくて安定感あってチャーミングで芸達者ばかりだな〜と思いました。ホントこの作品は誰もが愛らしいですよね。
天使の件把握しました。ふふふ。