「パジャマゲーム」番外編

はあー私のパジャマゲームが終わってしまった…これが俗に言うロスってやつか…こんなに繰り返し観たいと思った作品は初めてでもうスリープタイト社に行けないかと思うと喪失感半端ない。観劇擦れしてないせいもあるかもだけど全く観てない訳じゃないし、矢張り自分の琴線に触れる何かがあったんだろうな。

これでパジャマゲーム関連の記事は最後にしようと思います(きっと、いや多分)。最後に何を書こうか考えたけど今回は、本当はこういう事言わない方がきっと賢いんだろうなというような内容となります。今までこの作品に関しては2つ記事を書いたけどどんどんネタバレの度合いがひどくなり、今回は北翔さんのファンの方にしか分からない更にマニアックな内容になります。こんなん書いてるから宝塚市の革製品屋にtwitterフォローされるんだよ…宝塚アカじゃないと何度言えば…

まずここで私の立場を説明します。私は偶然ネットで北翔さんのパフォーマンスを見て「こんな歌がうまい人がいるんだ?!」と驚いて近くでやってた退団後のコンサート行ったのが初めての出会い。そこでミュージカルで歌って踊るとこ見たい!と思ってチケット取ったのがパジャマゲームなのです。だから宝塚時代の作品は観た事ないし宝塚自体生の舞台は観た事ありません。

そんな人間の言う事なんで「お前何も分かってね〜な〜」と思われるかもしれませんがどうかお許しください。

一個前の記事で「退団直後の人に掌を返すように型通りの女役を求めるのはどうなんだろう」みたいな事書きましたが、それは別のOGに対して口汚く罵ってるコメントを見て胸が痛んだからなんですね。10年以上かけて培った男役の所作がある日突然足枷になってしまう、それっていきなり利き腕を反対にして生活しなければならない程の大事件なんじゃないかと。スムーズに移行できてる方もいますが皆が皆そうじゃないと思います。しかもそれまで技術的にも立場的にも頼りにされる存在だったのが一転新人女優として歌の音域を広げたり所作を見直したりしなきゃならない。そして「男役がどれだけ残ってるか」を客に逐一チェックされる。こんなの自分だったら耐えられないよ〜!過去のOGさんも払拭したくてもしきれなくて1人葛藤してたのではないかと思ったのです。まあ「それでもプロなんだからやれよ」と言われればそれまでなんですが。

でも10月14日のアフトクを聞いてそれだけじゃなかったのか〜!と目から鱗になって。正確に言うとその時ですら完全には理解してなかったと思う、後で色々話を聞いてやっと合点がいったというか。だってファンなら誰でも「女優として成功」することを望むのが普通だと思ってたから。かつて自分を支えてくれたファンの気持ちに応えたいという思いが強いほど前に進むのを拒まれる可能性なんて微塵も考えなかったのです。もしかしたら男役がなかなか払拭できないでいたOGさんも単に技術的な問題だけではなかったのかも…

そういう事が分かってくるとこれは単純な問題じゃないな〜根が深いな〜と改めて考えてしまいました。葛藤の深さが半端ないじゃん。1人だけでは解決できなそう…と思ってた所に新納さんのあの言葉でしょ。彼女のファンが多いと思われる観客の前で言ったのがすごいよね。本当は言う必要なんてないことだし。むしろ自分が恨み買うリスクの方が大きいし損得勘定で考えるなら言わない方が遥かにいい。それを敢えて言ったのは彼女にミュージカル女優として大成して欲しいからだと思う。確かにあの才能を中途半端にしとくなんてもったいない。もっともっとできる人のはずだから。あの言葉はファンに向けてが半分、本人に向けてが半分だと思うんですね。ファンには「彼女を解放してやれよ」彼女には「踏ん切り付けろよ」みたいな。もちろん同時に彼女のプロ魂を高く評価してましたが。で、それを聞いてる時の彼女の様子見て今まですごく苦しかったんだろうなとも思いました。空気なんてのは人によって感じ方が違うからあくまで「※個人の感想です」としか言いようないんだけど、最初の和気藹々とした雰囲気から一転静まり返ったよね。その後満場の拍手でしたが。私も拍手しました、何かすごい場面に遭遇した気分になってwもー何て貴重なアドバイスなんだろう!あの場には北翔ファンではないお客さんも来ていたはず。でもまたとない機会だから敢えて言ったんだよ!一番効果のあるタイミングを逃さずに。すごい!かっこよすぎる!惚れてまうわ!

それを受けての彼女の言葉が翌日の千秋楽カテコでの「稽古場から初日に入ってもずっと不安だった。これからは男役の執着を捨てて…」だっけ?(その場にいなかったから一字一句は分からないけど)ちゃんと受け止めていたんだなと安心したし、その後新納さんが「捨てる必要はないんだよ?男役の上に今があるんじゃん」と前日のフォローを欠かさなかったのも感心した。私舞台上の役者さんには興味あるけどその人自身は割とどうでもいいというスタンスなんですが、彼女には大成して欲しいと言う気持ちが強くなりました。いつかメリーポピンズをやって欲しいという密かな希望もできたし。どこかで「男役から女優に変わる過程を楽しんでもらえれば」とか語ってた気がするけどこんな形で楽しませてもらうとは思いもよらなかった!何となく世渡りが下手で実力さえ付ければいつか誰かに評価して貰えると単純に思ってるのかなーと思わせる節もあるけどw(ごめん!毒吐いた!)それでも人生の要所で優れた作品に出会えて、今の彼女の魅力を引き出す演出家に出会えて、これ以上ない助言をしてくれる共演者に出会えたのは今まで築き上げた彼女の実績と人徳があればこそだと思う。他の人じゃこうはいかないよ?新納さんに関してもスタイル抜群で実力もあっておまけにこんないい人だなんてチート過ぎない?TV出演作もチェックするわー!でもトットちゃん私が見られる日は出てこないんだよなあ…

次からは誰も注目しないニッチな話題に戻るよ!とりあえず撮り溜めしたブライズヘッドでも見ようかしら。

 

“「パジャマゲーム」番外編” への2件の返信

  1. ほさんのファンです。温かいお言葉ありがとうございます。私は宝塚ファンではなく、周りに宝塚ファンが多いので、たまたま宝塚の北翔海莉さんを見つけました。ですから、早くいい女優さんになってほしいと思ってましたが、宝塚ファンは、男役が好きな人も多いので、北翔さんも不安だったでしょう。退団後初の仕事がパジャマゲームで、相手役が新納さんで本当に良かったと思います。長文失礼しました。

    1. コメントありがとうございます!宝塚ファンではないけれど彼女のファンだというのは私と同じですね。
      パジャマゲームは舞台の完成度の高さもさることながら、別の意味でも忘れがたい作品になりました。おっしゃる通り退団後初の仕事がこれで、相手役が新納さんで本当によかったと思います。感謝感謝ですね。

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