「エビータ」の感想続き

いやー終わっちゃいましたね!結局チケットを買い足し3回観に行きました。元々見る予定の日がエヴァがUSの日で結果的に買い足してよかった。アンダーの方もうまかったんですがエマさんを一度聴くとそこから離れられなくて。前回記事の追記としてこの文章書き始めたんだけど長くなったので独立させることにしました。前回記事間違いか2つもあって訂正したのでそちらも簡単に目を通してくださるとありがたい。本当に申し訳ない!!

さて本題。2回目が最初にチケット取った日だったんですが発売日に買ったのでめちゃステージ近く。前回分からなかった演出や細かい演技が見られてより理解が深まりました。ラミンチェの人物像も1回目はぼんやりしていたところもあったけどより鮮明になって分かりやすかった。これは近くの席で見たせいなのか私の理解が進んだせいか場数を踏んで演技が深まったせいなのか?チェはエヴァだけでなく民衆やペロンなどに対しても辛辣な言葉を投げかけるけど、声が届かないと分かるとぷいとそっぽを向いて葉巻を吸うんですね。こいつに言っても仕方ねーとても言いたげに。望みをかけても裏切られることに疲れているようにも見える背中で。そんなやり場のない怒りとやるせなさが強く感じられるようになりました。

そもそもチェは何に怒っているのか?「なぜ権力を追い求めるのか、聖女にだってなれるのに」というチェの台詞に答えがある気がします。チェはエヴァに私利私欲を捨て心から国民のために動いて欲しかったのでは?本当はエヴァに期待していたからこその絶望と怒りなのでは?前回「チェはエヴァが出世するために置いてきた良心や葛藤などを表す存在では」と書いたけど、この2人って合わせ鏡のように思える。2人とも階級制度への憎しみがあって、労働者の権利を勝ち取りたい気持ちが強くて、カリスマ性と行動力を持ち合わせていて、何物にもくじけぬ強いメンタルで…ここで私はチェ・ゲバラを連想しているのだけど彼のwikiを読むとエヴァとはイメージ違うんですね。しかしわざわざビジュアルを似せているのには理由があるはず。チェ・ゲバラとエヴァ・ペロンは上記のような共通点があるかもしれないけど違うところも多いから、いいとこ取りして架空のチェという人物を作ろう、言わば「こうなったかもしれないもう1人のエヴァ」として…ということかな?と妄想してみました。だから最近の演出ではチェのビジュアルがゲバラのイメージから遠ざかっているというのを聞いてちと残念なんです。そうなるとチェという人間が余計分かりにくくなるのでは。まあゲバラの見た目が好みというのも大きいのですが。ラミンもゲバラコス似合ってたし(おい)。

だからエヴァとチェのワルツ(と言っても中身は丁々発止のやり取り)で「俺が消えるその前に教えて欲しい」と言う意味が最初分からなかったけど「チェはエヴァの分身」ということならばエヴァももうすぐこの世からいなくなるという伏線なのかなという解釈をしました。因みにエヴァの「アンタなんか時代遅れの軍隊にでも入ってしまえ。でもうちのフィールドではやめてよね」という言葉がチェ・ゲバラへの皮肉に聞こえて笑ってしまったw エヴァなら言いそうだよね「きょうび革命なんか流行んねーんだよ」とか。

あとミストレスの存在も謎ですよね。いきなりエヴァに部屋を追い出されてソロ1曲(これまたいい曲なんだ)歌うのにそれっきり?みたいな。名前も与えられてないし。そしたらどこかのコメントに「エヴァがこうなっていたかもしれないというのを示す存在では?」という意見があってなるほどなーと思いました。そう言えば歌い終わった後チェが彼女に「Don’t ask anymore(もう何も言うな)」と声をかけるのですけど、終盤病魔に蝕まれたエヴァが「これから私どうなるの?」と言った時のペロンの答えと同じなんです。ペロンからはエヴァを気遣う様子が見て取れるけれど、何か因果応報のように思えて唸ってしまいました。

別に不満というほどではないんだけど、一つちと惜しい点があるとすればワルツの後にペロンへの愛を問う「You Must Love Me」という曲があるのですがこれはマドンナの映画化の際に追加された曲で初演ではなかったそうなんです。しかし今回オリジナル演出にこの曲を挿入することで流れが一旦途切れてしまうような。いい曲だから入れたくなるのも分かるのですがちと蛇足かな、エヴァには弱音を吐かず常に強がって突っ走って欲しいんだよね。あと訳が「私を愛して」になってたけどmustを使ってるから強い命令形だと思う。「私を愛しなさいよ!」みたいな。この方がエヴァに似合ってる。

元々上演時間2時間超と短いんですけどね。だから追加したくなったというのもあるんでしょうけど、それもまたエヴァの駆け抜けるように過ぎ去った生涯を表してるようで悪くないと思う。内面が書かれてないという批判もあったけどエヴァのような人にぐちぐち言われても白々しいからこれでいいよと思ってしまうw

3回目は千秋楽でした。またエマさんとラミンのパフォーマンスを観たくなって急遽追加。ラミンの登場シーンから満場の拍手!で観客席のボルテージが最高潮。舞台上もそれに応えるように熱演。1階席の後ろの方だったけどすごいパフォーマンスには席なんて関係なくて十分届いてきました。カテコではラミンがベレー帽を客席に投げるし終演のアナウンスが流れても皆帰らずカテコ追加となってました。酷暑の中キャストスタッフの皆さん大変だったろうし、ラミンはアンダーを立てず全公演参加でありがたやというか、とにかくお疲れ様でした&ありがとうございました。

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