うおおおおおお!観て来たどおおおお!とうとう祝!初宝塚であります(パチパチパチ)。当日は興奮して用もないのにキャトルをうろついたり、ロビーに飾ってある花やシャンデリアや緞帳までパチパチ撮ってました。一方で拍手のタイミングに戸惑うことも。え?開演前のアナウンスでするの?リフトしたらするの?大階段で立ち止まった時じゃなくて降りてお辞儀したとこでするの?みたいな。すっかりおのぼりさんモード。
前にも記事にした通り「ファントム」はずっと観たかった演目、しかも今回歌うまトップコンビと聞いたら行かない手はない!と思いチケット頑張って取りました。男女キャストの舞台は観たことあるんだけど何せ10年前で殆ど忘れてた。でもだんだん観ているうちにあーあーこうだったと思い出して来ました。
まず!何から言えばいいかな~。エリック役の望海風斗さん!生で歌声聴いてびっくり。映像だけだとすごさが十分に伝わりませんね。頭蓋骨をゆらゆら揺らすというか骨伝導というか!?ホント変な例えしかできなくて申し訳ないけどその場の空気を震わすパワフルさ!強い圧を感じる!だから現地で見る方が伝わる。私が好きな北翔海莉さんとはまた違うタイプなのも面白かった。北翔さんは声色が心地よくて心にじんわり染みるんだよね。1フレーズに情報がいっぱい詰まっていて伝える力が抜群というか。歌うまと一括りにされがちだけどみんな違うんですね。
真彩希帆さんもすごかった!可憐でけなげなクリスティーヌで、エリックに歌を教わる前と教わった後の歌い方が違うのがちゃんと分かる!最初からうまいんだけどレッスンを受けてからの方がより洗練された専門的な歌い方になってる!使い分けられるのもそれを観客にきちんと伝えられる技術があることもすごいですね。
あらすじは前の記事にも書いたから省くけど変な話ですよねw 色々ありえないw キャリエールに「お前が元凶かー!」とかクリスティーヌに「そういうとこだぞ」と突っ込み入れたくなる。でも何だかんだ言って泣かされてしまう。良くも悪くもみんな人間臭い。ここがアンドリュー・ロイド・ウェーバー(以下ALW)版とは違うところで、あちらは超人対決みたいな様相を呈してるけどwこちらはきちんと人間ドラマしてると言うか。エリック(ファントム)は別に「音楽の天使」に擬態しなくてもクリスティーヌに話しかけられるし等身大フィギュアも作ってないしより普通の人ぽくて、ちゃんと育てられればきっといい青年になったんだろうなあと想像できる。だから幸せになって欲しかった気持ちが強くなって涙腺を刺激されるんですよね。クリスティーヌも決定的な大失敗やらかすけどw基本純朴で優しい娘だし。
ただし、エリックがクリスティーヌと地下ピクニックに出かけるシーンあるじゃないですか。あの場面の直前にカルロッタを始末した時と同じ服装なんだよね。それ見てぎょっとしてしまった。あんなに衣装持ちのエリックさんなら普通着替えません?ただでさえ宝塚の舞台なんて無駄に着替えるのに。展開の都合上着替える暇なかったのかもと考えたけど普段から早着替えは慣れてるはず。演出家もそこんとこ分かっててやってると思う。となると考えられるのはエリックにとって人を殺すのは後ろめたい事でも良心の呵責を感じるものでもないということ。クリスティーヌに嫌がらせしたから罰せられて当然としか思ってないのかなーって恐ろしくなってしまった。ひたすら純粋なんですよね。そこが怖い。
宝塚用に潤色してるから私の記憶にあるものと微妙に違うんです。警察がエリックを追跡する所の音楽、今回のバージョンでは演奏だけになっていたけど元々はアンサンブルを中心とした歌になってて、転調を重ねた緊迫感あるメロディが好きだったんです(美女と野獣でいうところの「The Mob Song」みたいなやつ。そう言えばガストンの声の人は初演のエリックなんですよね)。だからそこは省いて欲しくなかったなー。逆に、クリスティーヌとシャンドン伯爵が捌けた後のエリックの嘆きの歌、あれ後になって追加されたらしいけどALW版の「All I Ask Of You (Reprise)」とつい比べてしまって蛇足だったんじゃないかなーと思った。大体エリック何でオペラ座の外に出てるのよ?他にもALW版を意識した演出がちょこちょこあってパクリみたいな印象受けてしまう…でもシャンデリアが落ちるシーンは米国の初演からあるんだよな(ALW版のオリジナルでもなくケンヒル版が初出らしいけど)…船に乗ってるシーンもそっくりなんだけどオペラ座の地下水路は実在してるんだからこれも仕方ないか…うーむ。
今回久しぶりにこの作品観て、やはりALW版の二番煎じみたいな捉え方をされるのはもったいないなーと思いました。突っ込み所満載だけどこれはこれでいい。何せ音楽が素晴らしい!少し前に同じモーリー・イェストンの「タイタニック」も観たけどファントムの方が耳なじみのいい曲が揃ってるような気がする。音楽の力が強いから「こまけえことはいいんだよ」と開き直ることができる。「My True Love」がその中でも好きなんだけど真彩さんの美しい歌声と相まって感動しました。
お芝居が終わった後普通はここで終わりなんですが、宝塚なのでフィナーレがあります。他の作品で予習したので慌てませんでしたよw 最初お芝居の余韻を大事にしたいからフィナーレなくてもいいんじゃね?と思ったんですが、あの大階段が出てきた時、望海さんが大羽根背負って出てきた時「キターーー!」と興奮して、やはり宝塚劇場に来たからにはこれ見ないと帰れないよなと思い直しました。私北翔さんの宝塚時代には殆ど未練なかったんですが、彼女が大羽根背負って大階段降りてくるところ生で見たかったとその時初めて思いました。きっとスターオーラ半端なかったんだろうなあ。
そんなこんなで初宝塚作品がこれで本当に良かったです。何と!奇跡的にチケットが複数枚取れたのでまた行ってくる予定です。新しい発見があればここに書きます。では~。
20190122追記
今日また観に行って来ました!追加の感想は別項で書くとして…訂正です!本当にごめんなさい!!上に書いた「宝塚版では演奏のみになってしまったアンサンブルの歌」って宝塚版でもありました!!カルメンの練習をエリックに撹乱された後、オペラ座のみんなが恐怖におののく歌、あれが言いたかったのよ。私の頭では1回だけでは把握しきれんわ、トホホ。言い訳を言わせて貰うと、元々はエリックとクリスティーヌが呑気に(?)歌のレッスンをしている(バババババババーの場面です、って文字だけだとなんじゃらほいですね)のと並行して歌われるので「志村後ろ後ろー」的な緊迫感が増していたのです(こんな例えしかできなくてすまん…)。それが宝塚版ではレッスンの場面は切り離されてその後のシーン(You Are Musicのところ)とくっつくので「もう教えることはない」という台詞が唐突に聴こえて「早っ!もうマスターしたの?」とそっちが強く印象付けられてしまうのよねって言い訳になってないか。とにかく本当にすいませんでした!
20190129追記
また訂正かよ!ってそうです。今度からよく調べて書きますペコリ(慣れすぎて反省の色なし)。シャンデリア落下シーンって原作からあったんですね。って最初から調べとけよ!それぞれ落下した理由は違うんだけど。パクリ臭いとか言ってごめんね。ALW版と何かと比べてたのは私自身だったね。そう考えると落下させる動機って今回のが理にかなってる感じします。とにかくクリスティーヌを守りたかったためだし。それにしてもガストン・ルルーの原作読んでる筈なんだけど1ミクロンも覚えてないです。余りピンとこなかったんですよね。ALW版もだけどこのバージョンも脚色がかなりよくできてるんだと思います。