「グレイテスト・ショーマン」感想

こんにちは。実はファントム感想より先に書き始めたけど色々忙しくて途中で放置していた話題です。今回は映画館で見たかったけど暇がなくて行けず、WOWOWで見た「グレイテスト・ショーマン」の感想。前に記事にした「プロデューサーズ」と同様これも録画していたんです。

ここで最初に言っておきます、これから書く内容はかなり辛口です!毒舌なんてもんじゃありません!0.1%くらいしか褒めてません!はっきり言って私の口には合わなかった!ミュージカル好きだからかなり楽しみにしてたのに悔しい!!ただこれを読んで下さる方の中には、この作品好きという方も多いと思うんです。もし気分を害されたらごめんなさいと言うしかない。しがない個人の感想ということで許してつかあさい。あとネタバレまみれです。重ね重ねごめんなさい。

これは19~20世紀にかけて活躍した興行師P.T.バーナムという実在の人物の一代記のミュージカルなんですね。貧しかった少年が良家のお嬢様と恋に落ち身分違いの恋を乗り越えて結婚、子供も設けるが生活は楽にならず。会社も解雇された彼は銀行から金を借りいわゆるフリークス(奇形の人たち)を集めショーを開催する。これが大当たりするが評論家からは酷評される。野心家かつ自信家の彼は「キッチュな見世物でなく本物として評価されたい」という気持ちが強くなり上流階級の有名な劇作家とパートナーを組んだり、オペラ歌手と契約してツアーを実施する。これらも成功させるが本質を見失い足元が疎かになった彼は…お約束の凋落、そして復活。エンド。(最後あらすじ説明が雑になってすまん…でも本当にこんな感じ。復活するまでのコツコツした努力は描かれずあっさり立ち直り仲間でイェーイ!めでたしめでたしなんだよね…)

そもそもP.T.バーナムという人を調べると現代の題材向きではないんだ。現代ベースで考えるとそれ人権的にどうよ?な部分もあるし、ぶっちゃけ詐欺まではいかないけどどうなん?な所もある。「バーナム効果」って知ってますか?星占いや血液型占いでよく使われてる手法で、例えば「仕事を抱えすぎてミスしやすい。気をつけて」みたいな誰にでも当てはまることを言われて「当たってる」と思う現象のことらしい。騙しのテクニックとしても使える現象に名前が使われてるだけじゃなく、諸々の逸話と合わせて考えると本物のバーナムはトリッキーな人物だったんじゃないかしら。映画では、隠れるように生きていた奇形の人たちをバーナムが光のある場所に導いたみたいな描き方していたけど現実はそこまで綺麗な関係ではなかったと思う。でも彼らはバーナムのお陰で収入を得ることができたし実際感謝もしていたという話も聞く。そこんとこの複雑な事情を削ぎ落とし、現代の倫理観に配慮して「漂白」するとこんな映画になるのかな、と意地悪い私は考えてしまった。それなら実在の人物をモデルにしなくていいじゃーん、オリキャラでも作ればいいじゃーん。というのが一つ目。

次に、この作品の言いたい事に「多様性の素晴らしさ」「差別や偏見の否定」というのがあると思うんです。ここには様々な奇形を持った人たち(小人症、巨人症、多毛の女性、結合双生児などなど)が出てきます。だけど彼らは「虐げられたマイノリティ」という集合体に過ぎず、一人一人の個性が描かれることは殆どありません。彼等の性格とか考え方の違いとかショーでどんな特技を披露していたのかとかそんな描写がまるでない。「This Is Me」という彼等が立ち上がる歌があるんだけどこれおかしくない?打ち上げパーティーに参加させてもらえなかったことがきっかけで歌われるんだけど、それより以前に街の男達から「お前たちみたいな化け物は出て行け」呼ばわりされてるんですよ。怒るとしたらこっちが先じゃね?暴力振るわなそうな相手だけに怒るってのもおかしくね?重箱の隅つつくようで悪いけど、でも彼等の存在を尊重する振りをして、実際には差別されるマイノリティという属性だけ取り上げて個々の人格をぞんざいに扱っているのが腹ただしくさえあるんです。「聞こえのいいお題目唱えるためにマイノリティ利用するんじゃねーよ!」って私が「This Is Me」歌いながら怒りを表明したくなったよ、というのが二つ目。

これだけじゃない!脚本も雑!浅い!例えば、バーナムにスカウトされて加入した劇作家と空中ブランコ乗りの女性が身分違いの恋に落ちるんだけどよく分からん。男がいきなり一目惚れして女の方も悪からず思ってるみたいだけど余りに唐突。2人で劇場行ったら男の両親と会ってしまうのも御都合主義的。ブランコのパートナーの男が元からの恋人らしいけど彼は殆ど関わってこない。普通三角関係で仲がぎくしゃくするだろうに。他にも結構長いスパンの話なのにバーナムの娘は成長しないし、最後冷遇した団員たちとバーナムあっさり和解してすぐ復活してるし枚挙にいとまがない。というのが三つ目。

本当はもっと粗を挙げられるけどキリがないのでやめます。でも私ミュージカル好きだからミュージカル映画にはかなり甘いんです。ストーリーが多少破綻しててもミュージカルの場面さえ良ければ奥義「こまけえことはいいんだよ」が発動して大概許せてしまうんです。世間で高評価の理由もこれだと思います。でも私にとってはイマイチワクワクが足りない、歪なストーリーを越えるほどの力が歌とダンスにあるとは思えなかった。サーカスの場面で団員たちはバーナムの後ろで踊ってるだけ。ブランコ乗りも一緒に踊ってる。サーカスならブランコ乗れよ!各個人のソロパートも用意されず、アンサンブルの1人という感じ。歌も上手いし踊りもキレキレだけど見せ方が単調で飽きてしまう。もっと映画ならではの表現ってあるじゃん?ぱっと見楽しいよ。でも何度も繰り返し見たいと思わない。何が違うんだろう?音楽含めて私には合わなかったの一言に尽きる。「舞台作品にして」という意見があったらしいけどモブキャラ状態の団員をもっとキャラ立ちさせないと無理だろうなあ。

そんなこんなで大分腐してしまってごめんなさい。私もかなり楽しみにしてたんです。映画館で観たかったのに上映期間が終わってしまった時は本当に悔しかった。かなり評判よかったし評論家の意見は普段から参考にしてないから、まさか自分が評論家よりの感想持つとは思わなかった。それに私かなり「こまけえことはいいんだよ」派な人間なのに、これはその壁を越えることができなかった。それが一番の驚きです。もう一回見れば印象変わるのかな?

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