「20世紀号に乗って」あらすじ(追記あり)

こんにちは。今度上演される宝塚雪組の別箱演目「20世紀号に乗って」(原題On The Twentieth Century)根性でチケット取りました。いつもはあえて何も知らない状態で臨むのですが、1回しか観られずS席とは名ばかりの端っこの座席なので、内容が頭に入りやすくなるように予め下調べをしました。これまでにも1回しか観ないと記憶違いがあったので自分の脳みそが信用できないんですw これから紹介するあらすじは英語のwikiを和訳したものです。元々は自分のためにしたものだけど文章に起こしたら結構な量になったので、せっかくなのでupすることにしました。私のへっぽこ訳なんで間違ってたら許してね。ラストシーンまでのネタバレがあるから注意して下さい。時々英語で書いてあるのは歌のタイトルです。

1幕
激動の1920年代、自己チューな演劇プロデューサーオスカー・ジャフィーは立て続けに4作も失敗作を出していた。シカゴで上演された最新作も早々にクローズし、給料も未払いだったのでスタッフやキャストの怒りを買っていた(Stranded Again)。彼らから逃げる間に、オスカーは広報担当者のオーウェン・オマリーとマネージャーのオリバー・ウェッブに特急20世紀号のA号室のチケットを取るよう指示しそこで落ち合うことになった。
ラサール駅のプラットホームでは乗客たちが20世紀号の旅の素晴らしさを称えていた(On The Twentieth Century)。オーウェンとオリバーがA号室に飛び込むと連邦議会議員のグローバー・ロックウッドと秘書のアニーがいかがわしい絡みをしているのを発見してしまう。部屋から出て行くように言うと2人はそそくさと出て行った。
窓をよじ登って発車する列車に乗ることができたオスカーはオーウェンとオリバーにすぐに富と名声を取り戻せると話す(I Rise Again)。A号室を予約した理由について彼は、次の停車駅でかつての恋人であり現在は映画スターのリリー・ガーランド(元の名はミルドレッド・プロツカ)が隣のB号室にこれから乗り込むからと説明した。今や映画スターの彼女がオスカーの新作に出演するか疑わしいとオーウェンとオリバーは思ったが、オスカーは自信満々だった。
オスカーは昔主役だったイメルダ・ソーントンを降ろした時のことを思い出した。若く冴えない伴奏者のミルドレッド・プロツカの方がイメルダよりも「インディアン乙女の嘆き」(The Indian Maiden’s Lament)を上手に歌えることに気づいたのだ。オスカーはすぐにミルドレッドを「ヴェロニーク」(Veronique)(ビスマルクと寝るのを拒み普仏戦争を扇動したストリートシンガー)の主役に抜擢した。ミルドレッドは女優になりたくないと拒んだがオスカーは説得し、彼女をリリー・ガーランドと改名させた。
車掌がA号室にやってきて精神病者が列車に乗り込んでいると言いに来た。車掌は「列車の上の人生」いう芝居を書いたと話すがオスカーに追い払われる(I Have Written a Play)。イリノイ州エングルウッドでリリーが電車に乗り込むと乗客たち、とりわけオスカーは色めき立った(Together)。彼女の共演者兼恋人のブルース・グラニットは電車から降りることができず共に乗り込む羽目に。オーウェンとオリバーはオスカーが貧乏で翌日には劇場を明け渡さなくてはならないとリリーに打ち明け戻ってくるよう頼んだが拒否される(Never)。
ブルースはリリーの感情的な振る舞いから疑念を持ち、オスカーと恋人同士だったのか尋ねたが、リリーは恋人たちの長いリストを読み上げオスカーはこの中にいないと主張した。しかし別の部屋でオスカーとリリーは旧交を思い出していた(Our Private World)。
展望車では、狂信者が「懺悔せよ。時が迫る」のステッカーを至る所に貼っていると乗客から苦情が来ていた。車掌はすぐに犯人を捕まえると説明。これはレティシア・プリムローズ夫人の仕業と分かり、彼女によれば罪人に説くのは自分の使命であるとのことだった(Repent)。このステッカーを見てオスカーは次回作「マグダラのマリアの受難」を思い付く。これならリリーも断れないだろうと踏んだのだ。一方ブルースもリリーはハリウッドで活躍を続けるだろうと自信を持っていた。オスカーとブルースはそれぞれの部屋でリリーに会いに行く準備をしながら彼女は俺のものだと誓う(Mine)。オーウェンとオリバーが新しい芝居のプレスリリースを準備していると、レティシアが自分がスポンサーになって援助をすると申し出た。彼女はプリムローズ・レストレア製薬会社の創始者かつ会長で余った資金で慈善事業を行なっているという。
リリーはセクシーなネグリジェ姿でB号室に来てブルースとイチャコラを始める。そこへオスカーがやって来てリリーとの過去を明かし、ブルースは激怒して部屋を出て行く。リリーは怒ってオスカーの独占欲と嫉妬心を責め立てる。リリーはオスカーがいなくても裕福になり成功したと述べるが、オスカーは彼女がハリウッドに身売りして芸術性を失ったと言った(I’ve Got it All)。彼女はオスカーのかつての舞台監督助手であり現在は成功したプロデューサーであるマックス・ジェイコブズと契約する予定であると説明。彼は怒ってA号室に戻るが、オーウェンとオリバーになだめられ、裕福で信心深いプリムローズ夫人を紹介される。その時連邦議会議員のロックウッドが「豚市場委員会の人生」という芝居を書いたと乗り込んで来たがすぐに追い出された(I Have Written The Play)。オスカーとプリムローズ夫人が握手を交わす一方、リリーとブルースは隣の客車で夕食を摂るのだった(On The Twentieth Century(reprise))。

2幕
間奏で4人のポーターが(Life Is Like A Train)を歌う。
オーウェン、オリバー、オスカーはプリムローズ夫人から20万ドルの小切手を貰ったことを祝福する。その時リリーのメイドであるアグネスがリリーがすぐにオスカーに会いたがってると言いに来た。ジョンソン医師が彼を呼び止め「メトロポリタン病院の人生」という芝居を書いたと言うが(I Have Written The Play)、オスカーは無視してB号室に入る。リリーは彼の窮状を考慮して金銭的な支援をすると申し出る。オスカーはプリムローズ夫人の小切手を見せびらかし、リリーにマグダラのマリアの劇の説明をする。リリーは戸惑いながらも役を演じるうちに彼の手が腰に回っていることに気付く。彼女ははっと我に返りプリムローズ夫人に会わせて欲しいと話す。オーウェンとオリバーが彼女をA号室に案内して、プリムローズ夫人とオスカー含め全員で契約書にサインするよう彼女に迫る。ブルースも入ってきてサインしないように説得(Sextet)。彼女は過去に生きることはしない、サインはせずブルースと映画に出続けると決めたと話した。オスカーはリリーが芝居に出演すればプロムローズ夫人が映画にも出資するかもと折衷案を提示する。リリーはこの提案に乗り気になり同意、契約書にサインする前に数分一人になりたいと申し出る。
オハイオ州クリーブランドで数人の警官が電車に乗り込んだ。彼らは今朝ベンジンガー精神病院から逃げ出したプリムローズ夫人を捕まえに来たのだ。このニュースはあっという間に列車中に広まった(She’s a Nut!)。再び一文無しになったオスカーとまだサインをしていなかったリリーは口論になる。その時マックス・ジェイコブズが新しい戯曲を持ってやって来て彼女は彼を歓待する。彼女は脚本を読んで退廃的で魅惑的な「バベット」(Babette)という役を頭に思い描くが、まだマグダラのマリアと迷っていた。しかし結局彼女はマックスの芝居を選ぶことを決意した。
オスカーは展望車でオーウェンとオリバーに会う。彼は銃を持っていて全てを終わらせる(The Legacy)と言いA号室にこもった。オーウェンとオリバーは真面目に取り合わなかったが銃声がして慌てて部屋に入った。そこではプリムローズ夫人が銃を持ちオスカーがよろめいていた。夫人は彼から銃を取り上げようとして発砲してしまったのだ。ジョンソン医師が彼に何の異常もないことを確認。リリーの前で自分が傷を負ったことにしてくれたら戯曲を読んであげると約束し、ジョンソンは了承、オーウェンがオスカーが死にそうだとリリーを呼びに行った。オスカーは自分が死ぬ前に契約書にサインをしてくれと頼み、リリーは署名。2人で情熱的に歌を歌う(Lilly,Oscar)。マックスが飛び込むとオスカーはぴんぴんした状態で契約書を見せた。リリーがサインをよく見てみろと言う。何と「ピーターラビット」(Peter Rabbit)と書いてあった。2人はぎゃあぎゃあと喚きあいながら最終的に大笑いして抱き合った。2人は怒っているマックスを残したまま、情熱的なキスを交わし仲直り。アンサンブルが白い服を着て登場、オーウェンとオリバーは花弁を投げる中、ウェディングドレスを着たリリーと白タキシードを着たオスカーが出てくる。新婚カップルが抱擁を交わす中「人生は列車のごとし」と歌われる(Finale)。

えーと、この作品の背景を簡単に紹介しますと、1934年に「特急20世紀号」(Twentieth Century)というモノクロ映画が作られてそれを1978年にミュージカル化したものが本作ということらしいです。そしてトニー賞5部門受賞という快挙を成し遂げ、ロンドンでも上演。その後ちょこちょこと上演されており、2015年にはBWで再演されました。ちょっと調べると「スカーレット・ピンパーネル」でパーシーを演じたダグラス・シルズがオスカーをやってたり、今や「オペラ座の怪人」の常設劇場となっているHer Majesty’s Theatreで上演されたこともあったりなど小ネタがぽろぽろ出て面白いです。

前作のファントムとはうって変わり、正にミュージカルコメディという感じ。演じる方も頭の切り替えが大変でしょう。おそらくこれをそのままそっくりやるとは思えないです。あちらとこちらの笑いのツボは違うもの。私これまで「何で日本では悲劇の方が受けるんだフガー」と思ってきましたが、日本人が悲劇好きというだけでなく喜劇だとそのまま移植しても日本では受けないからというのもあるのではということに思い当たりました。日本でやってるミュージカルは殆どが翻訳ものだけど、悲劇の泣きどころは人種民族問わないんですよね。逆にコメディの方が間の取り方とかセンスの違いとか諸々含めて難しい。YouTubeでこの作品の関連動画を見ましたがこれがどう料理されて我々の口に合う形になるのか楽しみです。あと、あらすじ読んで頂けば分かると思いますが今の風潮だとポリティカル的にコレクトじゃない描写がなきにしもあらずなのでどうするのかなーというのも気になります。私は「これ位なら別にいいんじゃないの?」派ですが作品が面白くなればオールOKなんでどうなるか見守ってます。でもおもちゃ箱をひっくり返したようなわちゃわちゃ加減がこの作品の骨子だろうからそこは残して欲しいなと思う。

しっかし「苦悩と絶望に苛まれ最終的に死ぬ」キャラを確立した望海さんがどんなオスカー像を作り上げるのか興味津々です。自己中心的かつ我儘な性格でハチャメチャやるけどなぜか周りが放っておけず憎めないキャラって昔のコメディにはよくいましたよね。「ガイズ&ドールズ」のネイサンもこの系譜だし日本だとフーテンの寅さんや植木等の無責任男とかも含まれるのでは。オスカーとリリーでわちゃわちゃした挙句最後はよく分からないけど復縁するという「ミュージカルあるある」ストーリーなので2人の相性の良さを観客に見せつけて復縁する説得力を持たせられないといけないと思う。その点このトップコンビで既に何作もやってる訳だからそこはあうんの呼吸かも。これソフト化はなさそうな雰囲気だけどBW作品でもされてるものはあるしどこで線引きされるんでしょうね?関西では上演されない分映画館でやるなりソフト化するなり多くの人に見てもらいたいですよね。

そうそう、余談ですがこういうラブコメのジャンルを「スクリューボールコメディ」って言うらしいです。定義はwikiによると「1930年代初頭から1940年代にかけてハリウッドでさかんに作られたコメディ映画。住む世界が異なる男女のラブ・ロマンス、常識にとらわれない登場人物、テンポのよい洒落た会話、つぎつぎに事件が起きる波乱にとんだ物語などを主な特徴とする」とのこと。スクリューボールってのは野球やクリケットの用語のことでスピンがかかってどこへ飛ぶか分からないボールのことだそう。パジャマゲームもこのタイプかもね、っていつでもどこでも名前出さずには気が済まないんだな(呆)って感じですが再演のお知らせ待ってますよ〜!

20190402追記
実際観劇した後で上のwikiの和訳読み返すと「これ違くね?」な箇所がちらほらと。例えば初っ端の「激動の20年代」という記述、よく考えたらジュディ・ガーランドがブレイクしたのは30年代だし「Never」の英語の歌詞聞くとリリーがスケジュール帳を見ながら「1933年?1934年?」(宝塚の舞台では「来年?再来年?」と訳されてましたが)と言ってるのを聞いて30年代の間違いじゃないかと思うんですよね。でもこれはあくまで英語版wikiの和訳なので敢えてそのまま残すことにします。まあwikiと言っても普通に間違いあるしね。あとはpassionって情熱って意味しか知らなかったけど受難という意味もあるのか。ってこんなの受験英語レベルには分からんよ!プリムローズ夫人は製薬会社の元(ここ大事)会長だったんですね。ピルが錠剤の意味とは知ってたけど製薬会社ってなんちゃらファーマシーってイメージだった。なのでそこは直しときました。観劇しながら「自分の訳が違ってたらどうしよう」と思っていたんですが致命的な間違いはなくてホッとしましたw それにしても宝塚で海外ミュージカルやるとなるべく多くの生徒に役を回したり逆にトップの出番を増やすために改変することが多いじゃないですか。なのにこれは殆どそのままでちょっと意外でした。どちらかと言うとリリーメインの話なんですよね。変にトップスターに偏重させずに、でもお互いの魅力が十分に発揮された良質の舞台だと思います。真彩さんは退団しても引っ張りだこなんだろうなあと何となく感じました。最近娘役さんも退団後需要多いし実力云々置いといても元男役よりも使い勝手いいんだろうね。

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