グラナダホームズ感想#1、#2

動画配信サイトGyao!で期間限定無料配信をやってるとのことで、ついに個人的にやってみたかった企画「『シャーロック・ホームズの冒険』(グラナダホームズ)の感想を一話ずつ書く」をやってみることにしました!原作に忠実かつ時代背景も丁寧に再現されていてシャーロッキアン(ホームズおたく)にも認められているホームズドラマと言ったらまずこれ!な作品です。

昔NHKで放送されていて当時私は小学生でしたがその頃から人気ありました。当時から原作のイメージそのままなジェレミー・ブレット演じるホームズの造形は評判だったと記憶してます。その後何度となく再放送され今もAXNミステリーで断続的に放送されています。そんな中うちの生活スタイル上テレビよりタブレットPCで見る方が何かと都合よかったのでGyao!の配信は渡りに船だった…なのに無料期間終了ギリギリになってやっと見るという体たらく!!自分のだらしなさに泣けてきます。昔から8月31日に夏休みの宿題やってたしこういうのは一生直りませんね…という訳でちまちまと一話ずつなるべく簡潔に感想を書いていこうと思うのですが全部やるかは現段階で自信ない(おい)。他の作品と同様これも最初の方が名作多いんですよ。後のシリーズになってくると改変がひどくなったりジェレミーの体力が落ちてきているのを見るのが辛くなったり…裏話を聞くとテレビ局が製作予算を減らそうとしてジェレミーが闘うなど紆余曲折があったしいです。それなのでいつまで続くかは私のモチベーション次第なんですがそれでもいいよという方はお付き合い下さい。

#1ボヘミア王の醜聞
記念すべき第1回がこれというのが分かってるう!私の記憶が確かならばコナン・ドイルは最初2編の長編(緋色の研究、4つの署名)を刊行したがぱっとせず、その後短編のこれを発表してブレイクしたらしい。ホントよくできてますよね。アイリーン・アドラーの美貌と機転のよさと大胆な行動力。ついでに男装するところも素敵じゃないですか!シャーロック・ホームズの好敵手にして彼を出し抜いた女性。彼にとって唯一無二の女性でありながら性愛が伴ってないところも粋だなあと思います(新ロシア版の彼はぞっこんでしたがアレはワトソンに危機を救ってもらう姫ポジションだからいいのw)

ここでのアイリーン(実際はエレーナと発音してるように聞こえた)は唇がぽてっとしたセクシーな女性です。美貌を強調するために画面をほわわわわーんとぼんやりさせる演出があった気がする。ホームズが彼女を密かに観察しながらじっと見つめるシーンがあるところがいいんです。ほんの1カットなんだけど別にくどくど説明しなくても「ホームズ程の人物が認めるのなら外側の美しさだけでなく内面も優れているのではないか」と視聴者にそれとなく提示できる効果があるような気がする。実際にはアイリーンは「ホームズとしての彼」とは一言も会話を交わしてないにも関わらず、密度が濃く緊張感のあるやりとりが描かれてます。聖職者に扮したホームズとアイリーンの会話はドラマオリジナル。この時既に彼女は写真の隠し場所を見られた事に気付いているが、ホームズは分かってない。彼女が「なぜこんな事をするの?」と尋ねたのは二重の意味があるんだけどそれに気付いてないホームズとの会話のズレが面白いです。

ラスト、ボヘミア王に「陛下とは人間の格が違います」というシーンもいい!原作では冷ややかに言っただけですが握手を拒否してすっと去ってしまうw その代わり初対面では臆していたワトソンが目を見据えてしっかり握手してあげるのも皮肉で痛快w

あとホームズの変装が2回も見られるのもお得です。馬丁とプロテスタントの牧師なんだけど全く違うキャラが見られて楽しいです。多分演じてる方も楽しかったんじゃないかな。変装した姿が原作挿し絵そっくりなのも驚き。スタッフのこだわりを感じます。

#2踊る人形
人気の高い作品とは分かっているんですが、個人的には後味悪くてとにかく不気味なので正直ちょっと苦手なんですよ。人形の絵を見るだけでも怖くて、ってどれだけ怖がりやねんw だからあれのデザインのマグカップが売られているのを知った時は信じられなかったw ってどうでもいいことはさておき、そんな思いを抱えたままドラマを見たらあら不思議。原作の内容そのままなのに案外爽やかな気持ちでした。それは多分お馴染みの手品のような推理をワトソンにして見せて「でも種明かしをしたらなんだ簡単じゃないかとか言うんだろ」と拗ねたり、事件の依頼が来て陽気になるホームズさんがめっちゃかわいいのが一つ。もう一つは田舎の立派な邸宅と広大な平原の描写がああイギリスドラマを見ているなあというほっとした気分にさせてくれたというのもあります。あと、犯人はすごく残忍なんだけど一方で哀れさも際立つというか、原作と同じ展開だけど小説で読むのとドラマで見るのとでは印象が違いました。

原作では暗号の解読についてかなり詳しく説明されています。そりゃ推理小説なんだから当然だけど私のようなド文系は読んでて途中から頭が混乱しましたw 推理小説のトリックは論理的でないとダメなのは分かるんだけど余りに技術的な話をされるとストーリーが疎かになるので難しいですよね。その点ドラマでは説明が端折られたのも納得です。

始めなんでつい長文になりましたが次からはもっと簡潔にまとめます…でないと収集つかないし。

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