「I Love Musical」感想

今回はコンサートだからツイッターだけで感想を済ますつもりだったのですが思いの外長くなりそうなんでこちらに書くことにしました。でもいつもよりは短めにします…多分できると思います…できるといいな?

ミュージカルコンサートに行くのは今回が初めてなので、ミュージカル一本観るほどの満足感が得られるかな?毎度のことながら北翔さん目当てだけど出演者多いから出番少ないかな?などと不安があったのですが心配要らずでした!確かに出番は多くなかったですが選曲がツボにはまって逆に出ずっぱりだったら私の身が持たないよっていうくらい興奮しましたw それに他の人も皆うまかった!初めての人も多かったけど今後注目していきたいと思います。では北翔さん中心になってしまうけど感想を書いていきます。

もうね、登場から紫のAラインのロングドレスでびっくりですよ!スレンダーなドレス姿なら見たことあったけどオフショルダーで花のフリルも付いていてふわっふわで、こんなの初めてだったから新鮮でした。でも1人だけゴージャスに決めてるな…と思ったら選曲で納得(後で知ったけど他の方も曲のイメージに合ったコーデでした)。「エリザベート」より「私だけに」と「私が踊る時」。シシィキターー!一年前にWOWOWの番組で彼女の「私だけに」を聴いて「これ生で見られた人いいなー」と思っていたのでタイトル聞いただけで興奮してしまいましたw もうね、シシィなんですよ。歌声からも十二分に伝わるんだけど目線や流れるような手の動きで雄弁にシシィの我の強さが物語られるのです、決して激しい動きでないのに。コンサートなのにミュージカルの情報量だよねここまで来ると。「エリザベート」ってかなり有名な演目だけどみんなシシィをどのような人間として見ているのだろう。旧態然とした王家のしきたりに自由の羽をもがれる哀れな女性なのか、600年以上も続いた権威ある家に嫁ぎながら我を貫き通したある意味エゴな女性なのか。人それぞれだと思うけど私は後者寄りで見てしまうことが多いんですね。だから北翔さんの芯の強そうなシシィ見て「そうこれ、これだよ!」と膝を打ちました。ウィーン版のシシィもパワフルなんですよね。それに匹敵する強さを見たから「今から帝劇行ってこい!」とさえ思った(あ、今帝劇はレミゼかw)。因みに本家シシィ(つまりエリザベート本人)の肖像画や写真見ると欧州の人だけあって実は結構がっちりしてるんです。ウエストは驚異の50センチだけどw案外骨格は太いです。もう一曲は岡田浩暉さんとのデュエットで「私が踊る時」。これは初披露ですよね。まさかこの曲選ぶとは思ってなかったのでまたまた興奮(落ち着けよw)。歴史の一証人になるのか位の気持ちでした(だから落ち着けww)。この曲難しいと思うんです。曲の解釈的にシシィとトートが同時に歌う所ハモっちゃいけないでしょ、2人は対立してるんだから。音楽のことよく分からないけどユニゾンってやつ?2人とも同じ旋律を歌うって意味だっけ?かつ、対立しつつも曲が盛り上がらなくてはいけない、2人は表裏一体の存在だから。このスレスレのところが緊張感たっぷりでよかったです。岡田さんもう少し強めでもよかったと思うけど。北翔さんのシシィの解釈私はとても気に入ってるんだけどそれだとトートももっと強くしなきゃと思うんですよね。でもなぜ東宝エリザのトートって耽美路線なんですかね。宝塚版はあれでもいいと思うけど(むしろ女性だけが演じる世界だからハマると思う)、東宝版は男性がやるのだからもっと男臭くしてもいいと思うんです。現にウィーン版って普通のスーツ姿だったりするじゃないですか(白のじゃらじゃらした衣装もあったか…)。何かスケール感が小さくなっている気がして勿体ない気がする。ここまで定着すれば「日本ではこういうもの」と胸を張れるくらいなのかもしれませんが。

いつもの悪い癖で長くなってしまった。今回は短くしようとしたのに。ここまでまだ1部の話ですw 2部はストンとしたイエロー基調のホルターネックのロングドレス。ポニーテールのウィッグが健康的で似合ってました。2部は「ギフト」をテーマにミュージカル以外の曲もやってたけどアイラブミュージカルというタイトルなんだからミュージカル曲だけにしてくれ!と思ってしまった。そんなに知られてない曲でもいいのよ?「これは日本では上演されたことはないんですがかくかくしかじかな内容でこれこれという意味の歌です」とか説明してくれれば。「無知蒙昧なお前らに俺様が教えてやるよ」なスタンスでも一向に構わないのだけどニワカな私ですら殆ど知ってる曲ばかりだったからな~それがちょっと不満。でもまたミュージカル曲に戻ってくれたのでよかったです。2部の北翔さんでよかったのは「サウンドオブミュージック」より「Climb Every Mountain」今までもよく歌われている曲らしいですが私は初めて聴いたので感動しました。これなのね~みんなが言っていたのは。聴く人皆がそれぞれの人生の山を思い出して泣いてしまいますね。物語が感じられる。とにかくかっこいい。心にスッと入り込むのが快感なんです。あと「メリーポピンズメドレー」もあって「北翔海莉にメリーポピンズをやって欲しい会会長」を勝手に名乗ってる私としては期待したんだけどちょこっとしか歌ってなかったので残念でした。でもゲストの島田歌穂さんの「鳩に2ペンスを」が本当に良かった。島田さんは1部でも「On My Own」を歌っていてとても心に染み入りました。この曲は色んなバージョンを聴いたことがありますが若さを叩きつけるようなパワー系だったり命を燃やすような絶唱系が多いような気がする。それに対して島田さんのエポニーヌは絶望のどん底にいながら雲間から射す光のような神々しさが感じられるんですよね。歌を聴いた時の印象がなぜか北翔さんと同じなんです。「じんわりと染み込むように伝わる感じ」とか「包容力」とかが。北翔さんの目標は島田さんなんじゃないかなというくらい似ていると思うのは私だけでしょうか?とにかくこの2人が私の中では白眉でした。

他の方々も皆うまい人揃いで北翔さんが出ない場面も大満足でした。一人一人感想を書きたいけど結局元の長さになってしまったので許してくれ。本当に皆すごかったよ。今後彼ら彼女らが出ていないかチェックすることになると思います。最後なんでまた北翔さんに戻ってしまうけど、やはり彼女の適性は洋物ミュージカルだな!ということを改めて思いました。何でも器用にできるタイプだから本人も手を広げたくなるのは分かるけど彼女のスケール感や持ち味を生かせるのは洋物の方だと思います。今回砂漠のような心にオアシスが湧いたような気持ちだったもの。それくらい渇望してたんです。次のクラブセブンは楽しみだけど一本物のミュージカル出て欲しい!現実との兼ね合いもあるからどうなるか分からないけどどうか叶って欲しいです。

“「I Love Musical」感想” への4件の返信

  1. 行きたかったけど行けなかった、素晴らしいの分かってたのに。でも雑食さんが観に行けて良かったです。
    みっちゃんやっとゴージャスなドレス着てくれたのですね。想像だけで満足です。
    昨年みっちゃんがゲスト出演した、宝塚OGが複数出演したミュージカルナンバーが多いコンサートで「ミュージカルナンバー尽くしのコンサートはいわゆる『イイトコドリ』でお得感がすごい」と学習したので、今回のコンサートがどんなにすごいか分かります。
    日本のミュージカル界にはみっちゃん以外にもすごい人が大勢いるんだと最近知った私。それなのに実際の舞台作品はいつも同じ顔触れ・・・

    1. コメントありがとうございます。今回は残念でしたね。でも「私だけに」は今後スタンダードナンバーとして歌われ続けるのではないかと予想してます。それくらい印象的でしたもの。
      実際の舞台作品は…確かに同じ顔ぶれが多いですねw 上手い下手を越えた力学が働いているんだろうというのは容易に想像できます。考えてみれば芸能界なんてそんなものだし当たり前ではありますが。でも海外の舞台の動画を見ると日本人だってもっとやれるんじゃないかという気持ちになってしまいます。そういう意味でも北翔さんには頑張って欲しいという気持ちでいます。

  2. 詳しいご感想、とても興味深く読ませていただきました。特に「私だけに」の件が。コンサートなのにミュージカルの情報量という表現がすごく的確なんだろうなと想像します。WOWWOWで初めて聴いたときは、ちょっとした衝撃でした。これまで聴いたシシィの歌とは違う、溢れる自我を押さえきれない、だからといって思いのままに生きられない、苦しさを抱えた叫びのようなものを感じました。今回のコンサートでは、前回以上に感情のこもったものになっていたのでしょうか。聴けなかったのが残念でなりませんが、雑食さんのおかげでコンサートの雰囲気を味わうことができました。ありがとうございます。和ものもいいですが、本当に是非とも洋もののミュージカルで歌い踊る姿を見せてもらいたいですね。濱田さんのメリーポピンズは素敵ですが、北翔さんだとまた全く違うものを見せてもらえるかもしれませんね。

  3. コメントありがとうございます。生で観た補正かもしれませんがWOWOWで見た時よりよかった気がします。記事にも書いた通りシシィを演じながら歌っていたんですね。「私が踊る時」もシシィの不敵な笑みが一瞬お銀の方を連想させましたw
    メリー・ポピンズは去年濱めぐさんのを観たのですがその時も北翔さんならどう演じたかなあと思ってました。舞台のメリポピはツンツンしてて母性など持ち合わせてないナニーでジュリー・アンドリュースのそれとはかなり印象が違います。原作もそうみたいですね。北翔さんの場合どうしても演技面で優しさが滲み出ることが多いから逆にそれを抑えることが課題かなあと脳内でプロデューサーになったつもりであれこれ考えてましたww

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