「Summer Night’s Dream」感想前編

明治座で2日間限定のミュージカルコンサート「Summer Night’s Dream」に行ってきました。明治座ってシルバー層に特化してると思ってたからこういう企画は意外。でも実際は珍しくないみたいですね。クラブセブンでお馴染みの玉野和紀さん構成・演出・振付・出演、同じくクラセンで見たばかりの東山義久さん、宝塚でトップコンビだった妃海風さん、ふたり阿国で一緒だった雅原慶さんと坂元健児さん、クラセン出演経験のある中河内雅貴さん、タイタニックで見た渡辺大輔さんという面々。私は北翔さん目当てだからどうしてもそう見えてしまうんだけど、北翔さんを中心としたご縁で集まったように思えてなりませんでした。

でね、これがめっちゃよかったんです!興奮してその夜眠れなかったくらい。こんな経験パジャマゲーム以来かも。玉野さんの手腕はクラセンで経験済みだしもちろん期待はしてたけどそれ以上でした。うーん何がよかったのかな?まず玉野さんが北翔さんを非常に評価してくれてると察せられたのが嬉しかった!妃海さんも出るんだから過去の宝塚作品出しちゃおう(特にTHE ENTERTAINER!とLove&Dream)でもそのまま再現はしませんよ今の北翔海莉ができる新しい物をお見せします~という気概を感じました。またそのチョイスが彼女のいい所を分かっていてなおかつ引き出しを増やそうというのが伝わるものなんです。だから北翔ファンとしては堪らないし「そうそうこういうのが見たかったんだよ!」と膝を打った次第。しかも北翔ファンだけでなく、誰のファンから見ても満足できる完成度の高い舞台だったこともよかった。ミュージカルコンサートってそれぞれが過去に出た作品の持ち歌を披露するだけでマンネリ感があったり、持ち歌でないものはちと微妙な出来だったりする場合もあるじゃないですか。でも玉野さんは北翔さんだけでなく全てのスターについて持ち味を熟知していて直球と変化球を自在に操りながら何をさせればその人が一番輝くかに重きを置いてるようだった。誰でも知ってるグランドミュージカルやディズニーの曲を使いつつベタにならないように、その塩梅が絶妙でした。なおかつ一つの舞台としての統一感もあり、ミューコンと一口に言ってもここまで違うのか!と驚きました。

構成としては第1部が有名なミュージカル曲と、スケッチを織り交ぜた日本の歌謡曲、2部がミュージカル曲とディズニーの曲とジャズナンバー。オープニングは玉野さんがステッキ持ってタップ踏みながら「グレイテスト・ショーマン」の曲を歌います。私過去記事でこの作品こき下ろしてしまったけどw純粋にかっこいいと思ってしまった。タップと組み合わせるのが新鮮でオープニングに相応しい華やかなナンバーでした。そしたら次にいきなり北翔さんが!「On My Own」を披露!彼女に歌ってほしいなと思ってた曲の一つだったのでびっくり嬉くて胸がいっぱいになりました!「こんな北翔海莉が見たかった」その1。彼女の歌は島田歌穂さんの歌を聴いた時の気持ちと似ていると前に書いたことあるけど、島田さんのとはまた微妙に違うエポニーヌ。ふとした時に遠くを見やる表情をするんだけどこれがまたいいのよ。エリザの曲の時もそんな一瞬があったけどその一瞬の中に湧き上がる思いが込められているような気がして。「On My Own歌う時は緊張する」と述べていたのでまだ彼女なりのエポニーヌ像を模索中なのかな。こちらとしては十分満足だけどまだ進化する余地があるならもっと場数踏んでイメージ掴まないとね!(訳:これからもっと披露してくれ!)次は妃海さんがクリスティーヌ!ALWの「オペラ座の怪人」ですよ!ファントムはサカケンさん。サカケンさん四季時代はファントムはやらなかったみたいだけどスコーンと抜けるテノール痺れました。圧倒的な声量とパワーですね。妃海さんがクリスティーヌというのも意外で期待が高まりました。ただめっちゃ難曲じゃないですか。宝塚時代から歌うまと定評あった妃海さんでも大丈夫かなと一抹の不安がありました。クライマックスに近づくに連れクリスティーヌの高音が伸び「来るぞ来るぞ…」とドキドキしながら見守っていましたが最後余裕たっぷり。私は映像でしか見てないけど宝塚時代よりパワーアップしてない?またまた痺れました!

長くなるので1行空けます。このペースで語ってたら終わりませんね、急ぎます。続いて東山さん「ノートルダムの鐘」よりカジモトの外に出たーい!というメッセージの「Out There」東山さんのミュージカル俳優としての真骨頂をやっと見れました。クラセンではスフィンクスとかそんなんばっかだったのでこんなに格好良くて実力もあったなんて気付けなくてごめん…と思ったら後で桜や雪やポチを演じるとは…(後述)雅原さんは自身が四季時代にやった「Wiked」からエルファバの曲。妹を必死で救おうとするけど絶望の淵に追い込まれるナンバー。これも役になりきっててお芝居のひと場面をそのまま切り取ったようなボリュームがありました。この時緑色のドレス着ていたのも憎い演出でした。渡辺さんと中河内さんの2人は「ジキル&ハイド」より「Confrontation」。ハイドに徐々に蝕まれ人格を乗っ取られそうになるジキルがハイドと対決する歌なんですよね。本来は1人でジキルになったりハイドになったり忙しいんですが、2人がそれぞれのパートを歌うという構成。それでも流石ワイルドホーン作とあってカロリー消費の激しい曲です。ここまでどれもグランドミュージカルのドラマチックな曲で観客の心を掴みに行ってます。それぞれの個性に合った、でも雅原さん以外は意外性のある選曲というのがよかったです。雅原さんはエルファバという当たり役があるからそれを前面に出したのかもしれない。

ここでアンサンブルのラインダンス。この時の音楽がTHE ENTERTAINER!で使った曲!みちふうのファンならニヤッとするところですよね。アンサンブルの方たちも宝塚のOGが複数いてキレキレな動きでした。そしてスケッチ交じりの歌謡曲コーナーへと移ります。

これがクラセンとはまた違うメンバーだったから新鮮な面白さがありました。特にサカケンさんと妃海さん。サカケンさんクラセン出たことあったっけ?と真剣に悩んでしまう程自然に馴染んでました。和田アキ子のカツラを被って「あの鐘を鳴らすのはあなた」を歌う北翔さんの脇でマイクを縦に横に移動させながらハ行だけで歌うサカケンさん。母音法ならぬハ行法ですねw 玉野さんに「何かやってよ」と言われこれしか思いつかなかったと言ってたけどいやいや十分ですw あと妃海さんが聖子ちゃんカットのカツラを被って松田聖子になりきっての「赤いスイトピー」。客席にマイク向けて歌わせたり、聖子ちゃんお得意の泣き芸まで披露してやりたい放題w いつかクラセンに出て欲しいと思うくらいコメディエンヌの才能あると思います!あとフリートークで早口で喋る感じがオタクあるあるで親近感持ちましたw 北翔さんは先にも言った和田アキ子と、雅原さんと組んでピンクレディ(渚のシンドバッドとUFO)、あとサカケンさんがクソダサい眼鏡かけてさだまさしの「関白失脚」歌う横でぐうたら主婦のスケッチもノリノリでやってました。さっきミュージカル俳優の面目躍如したばかりの東山さんはこのコーナーでは雅原さん歌う「なごり雪」で黒の全身タイツに被り物して「雪」と「桜」の役、「関白失脚」では犬の着ぐるみ着てポチ役やってましたw しかも渡辺さんと中河内さんと3人でやった少年隊の「仮面舞踏会」ではワカチコワカチコやPPAPなどギャグを繰り出してこれもやりたい放題。PPAPは照明さんに「絶対ウケるから」と勧められたらしい。ってやるなよwww 2日間しかないコンサートなのに既にこんなに崩れていいのだろうか。急ごしらえのメンバーとは思えなかったです。一幕最後は全員で「世界に一つだけの花」で締め。体感的にはあっという間でした。でもこの感想文は長すぎるので二幕からの話は次回に続きますw

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