「NEW YEAR’S Dream」感想 第2幕

感想後編、今回は第2幕からです。また長くなる予感なので前置きせずとっとと行きましょーw

2幕冒頭は日本昔話ミュージカルスケッチ(何じゃそりゃw)「浦島拓朗」。大野さん演じる浦島太郎ならぬ浦島拓朗のお話です。浦島拓朗が海辺を歩いていると子供たちが亀をいじめています。この亀が吉野さん強そう。案の定子供らに反撃してるし。子供らも浦島さんに「お金をちょうだい」と歌いながら逆にタカる始末。美川憲一の曲らしいんですが歌詞が「あなたの生活(暮らし)に響かない程度のお金でいいわ」と続きこんな歌あったのかよ!とびっくりしました。トークの時玉野さんがモノマネ交えながら「美川さんコンサートで『嫌な曲でしょ』と紹介しながら結構歌うんですよ」と述べてて美川憲一まで押さえてるのかよ!と二度びっくり。クラセン見れば引き出しの多さは分かるけど、もしかしたら仕事で関わったのかもしれないけどとにかく驚きました。

浦島拓朗は助けた亀に連れられて陸の竜宮城へ。つまりぼったくりバーなんですが。そこへダンサーズと新納店長と渡辺ボーイに迎えられ、目玉は乙姫シスターズ(北翔、平野、咲妃)の「年下の男の子」。これドリフでもできそうじゃね?浦島いかりや、亀志村、子供ブーと仲本、店長加藤、乙姫シスターズキャンディーズ(本物)辺りで。シスターズに寿司をねだられ渡辺、大野、新納の3人で「寿司食いねェ!」これが意外にもよかった!実は寿司ラップ(何じゃそれ)としてかなり優秀な曲なのではと再発見しました。この中で新納さんが一番踊りにくそうな衣装だったけどそれを感じさせないキレキレダンスなのがすごかった。「パラダイス銀河」もよかったなー。私は踊る新納慎也が見たいらしい。それにしても「大人は知らないしゃかりきコロンブス」って何度聴いてもおかしいですね。

予想通り浦島さんがぼったくられるオチで終わり、玉野さんが登場して「SLAP THAT BASS」スケッチでわっと盛り上がったところ歌でキュッと締めるこの絶妙な緩急、ドリフ大爆笑を連想してしまいました。さっきからドリフばかり言っててすまん。でもお正月の特番でコタツに潜りながらドリフ見てたあの安心感思い出しちゃったよ。元は「踊らん哉(原題SHALL WE DANCE?)」でフレッド・アステアがタップしながら歌ってた曲らしいけど、映画「ジョーカー」にもその場面出てたような。ここから再び歌コーナー。吉野さんがピアソラの「迷える小鳥たち」というタンゴをしっとり歌い上げる。これがまたいい。振り幅がすごくてすごい(語彙力)。クラセンの時もいいなあと思ったけど吉野さん好きだ。佇まい歌声技術存在感(佇まいと一緒かw)に厚みがある。役者として信頼できる。日本語歌詞が検索しても見つからなかったのだけどどこのだろう?続いて咲妃さんの「PART OF YOUR WORLD」(リトルマーメイド)。パフォーマンス自体はとてもよかったけどここは英語で歌って欲しかったかも。咲妃さん英語の歌の発音がいいと評判だったから聴いてみたかった。渡辺さんはレミゼより「STARS」これもよかった。声が太くてどっしりしている。喋ると真面目そうでいじられキャラぽいけどパフォーマンスする時はギラギラしているところもいい。前にも書いたけどアンジョルラスやって欲しい。そして新納さん「RENT」より「ONE SONG GLORY」。新納さんもう少し若かったらレント出たかったと言ってたし十八番なんだろうな。でもかなり若く見えるよね?RENTは知らんけど余裕で10歳若い役こなせると思う。というか口上で今年で芸能生活30周年と聞いて高校の時にモデルデビューのはずだからえっ???と驚いてしまった。そんなん全然見えないって。今でもモデル体型維持してるけど見えない所での努力すごいんだろうなあ。この時もグレーの鱗みたいな模様のスーツ着てたけど素人には着こなせない柄だと思って見てましたw

ここでトークコーナーを挟み「みっちゃんと若手のコーナー」(北翔、渡辺、大野、咲妃、平野)ってみっちゃんは若手じゃないか。実際には渡辺さんとそう離れてないらしいけど。ここは過去に共演した曲を披露するコーナーらしくて北翔さんと咲妃さんで「メリーウィドウ」から「唇は語らずとも」。これ生で見られるとは!男役スイッチって本当にあるんですね。急に空気が変わりました。咲妃さんも一気に娘役モードに。ミュージカル歌唱とは異なるオペレッタに相応しい声楽の歌い方に変わりました。北翔さんの低音すごく好みでゆりかごに揺られているような心地よさ。咲妃さんとのハーモニーも美しかった。歌い終わってお辞儀して捌けるところまで宝塚方式でとにかくよかったです。次は平野さんが「レディ・ベス」から「秘めた思い」。初めてのタイトルロールで思い入れ深いと言ってたけれど、調べてみたら花總まりさんとW主演だったんですね。プレッシャー半端なかっただろうな。体が小さい分表現を大きくするタイプなのかな、そのせいか舞台の上でもハンデを感じさせないパフォーマンスでした。そして大野さんと渡辺さんで「ロミオ&ジュリエット」から「世界の王」と「僕は怖い」。2人共演歴があるから元から仲良いみたいです。気さくな関係が伺えました。ところでこの演目音楽がいいですね。宝塚でも今度星組が上演するらしいけど観たいな。礼さんのトップお披露目公演チケット持ってたのにコロナで流れちゃったんですよね。グギギ。

ラストに向けてここから怒涛のごとく畳み掛けてきます!「CHICAGO」から吉野さんと新納さんの「NOWADAYS」。新納さん吉野さんと踊りたいという夢が叶ったって喜んでました。開幕前にやったzoomのトークライブでフォッシーな帽子を見せてたけどここで使うものだったのね。いいもん見せて貰ったわ〜と思ったけどここで終わりじゃない!4人のダンサー達も含めて玉野さん以外全員で「ALL THAT JAZZ」ですよ!ふぉぉぉぉぉ(語彙力)!豪華!ゴージャス!その中でも北翔さんが真ん中で歌って踊ってめっちゃ格好いいの!誰もが納得せざるを得ないであろう説得力のある存在感です。歌のうまい人踊れる人は他にもたくさんいるだろうけど真ん中を背負える格を兼ね備えてる人はなかなかいないと思うの。これで産後4(以下略)。こんな北翔海莉が見たかった(前回に続き2回目)!めっちゃテンション上がる!玉野さんありがとう!!大きな拍手の中、ここでも指笛が聞こえました。

大きく盛り上がった後北翔さんだけ残り男役モードの低音ボイスで「CRY ME A RIVER」。このきゅっと空気が引き締まる流れ好き。緩急の付け方がうまくて場面が変わってもぶつ切りにならないんですね。花組の「オーシャンズ11」で群舞に使われた曲らしい。オーシャンズ11一回しか見てないから忘れてました。これから見たい役も普段見られないキャラもかつての男役も見せてくれてありがとう誰が見ても楽しめるけど北翔ファンにとっては特に見逃せない舞台だわ。コロナで来れなかった人にも配信があってよかったとしみじみ感じているところに玉野さん十八番の「MR. BORJANGLES」で締め。足を引きずるところ「またまた〜次の公演もあるのに真似がうまいな」と思ってたけど最終日のカテコで「あと何年踊れるかなと考えてる」と述べてて、あの曲に自分の姿を重ねてるんだなと気付かされました。最終日以外はトークを入れず「バンドワゴン」の「THAT’S ENTERTAINMENT」のインストに合わせてフィナーレ。このフィナーレに移るところ「ドリフ大爆笑」のフィナーレを思い出したのは私だけでいい。なんつうかうまく言えないけど、イントロの最初の音とか否応なしにフィナーレになだれ込んでいく流れとかが。ドリフばかり引き合いに出して悪いけどエンタメは人を楽しませてナンボで貴賎も上流下流もないと思うんですよ。とにかく楽しかった!

前回のサマーナイツドリームもそうだったけど、玉野さんは北翔さんの魅力を分かってて引き出すのがうまい。演歌や歌謡曲から往年のミュージカルナンバー、最新のトレンドまで幅広くカバーする器用さが彼女と相性いいんだろうなあと勝手に考えています。こうなったら第三弾オナシャス!明治座の定番コンテンツにして欲しいです!北翔さんもカテコで言ってたけど長らくコロナ&妊娠出産で休養していた中、元に戻すの大変だったと思います。でもこれだけの人材をちょろっと単発の仕事だけさせて育児と内助の功に専念させるのはもったいない。こんな世の中で乳飲み子抱えてバリバリ働くのが難しいのは重々承知の上で無理を言うけど、板の上の彼女を好きになった以上やはりミュージカルで大きな仕事をして欲しいなあなんて欲が出ちゃいます。今回それだけのものをみせてもらったのであれもこれもと要求したくなる悪い癖とは分かっているんだけど。

結局生で2回、配信で1回計3回も見て大満足でした。配信は生じゃないから楽しめるかなーと思ってたけどコロナの心配もなく見られたのである意味一番ゆったりくつろげた。早く劇場で笑ったり感動したり友達とおしゃべりするという行為が気兼ねなくできる日が来ればなあと思います。

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