「恋のたくらみは公爵と」感想(ネタバレあり)

先日 Netflixのブリジャートンドラマ版の感想書いたんですが(こちら)、遅れて原作の小説「恋のたくらみは公爵と」読みました。結論。原作ええやん!こっちを先に読めばよかったー!そしたらイメージ変わってたかも。私が原作者ならできあがったドラマ見た時DB実写版を見た鳥山明のような心境になってたと思う!本当の作者が満足してりゃいいんですがねw

原作もごちゃごちゃしたところあるんですが、ドラマよりはずっとよかったです。つーか原作で私がいいなと思ったところがことごとく削られている!逆にあちゃーと思ったところはドラマオリジナル。追加要素なんて要らなかったんや。全8話も使って何やってたん?後半なんか顔だけのラブシーンしか記憶にない。あとボクシング?申し訳ないけどあれがネトフリで再生回数トップって今までのネトフリどんだけつまらなかったんじゃ。コロナで皆外に出られないから他の娯楽がなかっただけなんじゃないの?

すいません、つい口が滑ってしまった。原作の感想に戻ります。この話ってコメディだったんですね。ダフネとサイモンの出会いをお膳立てした(形になった)ナイジェルの災難、決闘の時サイモンがブリジャートン兄妹に片方ずつ殴られ両眼の周りがパンダになったこと、独身最後の夜の母親の肝心なことは何も言ってないレクチャー(8回以上よ!は傑作だったw)、初夜直前の2人の会話、2人が仲直りして家に戻ったら腕組みをして仁王立ちのまま待ち構えるシスコンのブリージャートン3兄弟などなど。特に初夜直前の会話の場面はまるで噛み合ってなくて声を出して笑ってしまった。

こういう明るくて朗らかで健康的な部分がドラマからはごっそりなくなってるんだよ!ナイジェルは粘着質なすげー嫌な奴になってるし(でも一目見てダフネが毛嫌いしたのもイミフ。ブサイクだったから嫌ったようにしか見えなかった)、過保護な兄はそのままだけど冒頭いきなり尻丸出しで野外でなかよし(婉曲表現)なんかしてなかったし、妹にはちゃんとした相手をとゴリ押ししときながら自分はオペラ歌手と深みにハマる矛盾もなかった。母親もドラマでは肝心なことには何一つ触れないただのバカにしか見えなかったけど、原作は縁談の話は暴走しがちだけど根は悪くない愛嬌のある人に描かれていた。コリンも可哀想なことにはならなかった。やったことはひどいのになぜか被害者扱いされたマリーナは存在すらなかった(続編で出てくるらしいけど)。

あと原作ではダフネとサイモンがちゃんと会話してるんだよ!当たり前のことなんだけど2人が距離を縮める過程がきちんと描かれているの。そして最大の山は、サイモンの苦しみが解放される過程ですよ!サイモンがダフネから姿を消した1番の理由は彼女の前で吃音が戻ってしまったからでしょ、1番見せたくない弱くてみっともない姿をよりによって最愛の妻に晒したのが耐えられなかったからでしょ!ディズニーの「美女と野獣」で言う所のベルが禁じられた西の塔に行って野獣に出て行け言われる場面と同じだよ。あれはバラを勝手に触れられたからじゃなくて荒れ果てた自室を見られたのが恥ずかしかったからなんだよ!!ってまた話が脱線したドラマでそこ見せなくてどうするの?肝心要のキモじゃん!そのくせマスターベーション指南なんか勝手に入れてるし。あれかい「現代の女性だってマスターベーションくらいやります、そういうオープンな時代なんです」ってのをやりたいのかね。いくらドラマ版が「ヒストリカルのコスプレをした現代劇」だとしてもあれは不自然だったよね。

それにしても、クライマックス直前「ダフネが無自覚にサイモンを傷付けて修復しがたい溝を作る」というのをしたかったんだろうけど他にやりようなかったのか。あれ現代風に置き換えると「男は必ず避妊してたのに妊娠したい女がこっそりコンドームに穴を開けていた」に相当する酷さだと思うぞ。ドラマでも飲酒の要素を省いた以外はそれ程変わってないしマリーナを被害者として描いたり、女性の自慰行為も臆せず表現するなど女性への配慮はめっちゃあるのに、男性には気を使わなくていいのかとモヤってしまった。いくら視聴者の圧倒的多数が女性だとしてもさ。あとさ、原作に戻るけど、言いにくいことなんだけど、何の知識も経験もなかった箱入り娘のダフネが結婚して間もないのに上に乗ってって不自然じゃね?いえいえやっぱ何でもない、げふんげふん!とにかく勝手に代案を考えてみたのだが、「ダフネがサイモンの書斎に勝手に入り父親宛に書かれたがどうせ返信が来ないからと出さずじまいになってた手紙を見つけて盗み読みする、そこでサイモンの秘密を知りうんたらかんたら」とか「家政婦からサイモンと父親の確執を聞いてダフネが良かれと思って託された父親の手紙を見せようとするが、サイモンはまだ心の整理ができてないため逆上」とか「たまたま生理が遅れて受精の仕組みを知らないダフネは妊娠したと勘違いして喜ぶ。そんなはずはない、ちゃんと外出ししてたはずだと口を滑らすサイモン。え?どういうこと?あなた私に嘘ついてたのねムキー!!修羅場になり必要以上にサイモンを責め立ててしまう」などなどできなかったのかしら。そこんとこの帳尻合わせは日本でコミカライズしている漫画家の先生の方がうまいのでは。

他にも不満がないわけじゃなくて、例えばプロローグでいきなりサイモンの過去話が出てくるけど、そういう過去話はサイモンの人となりが徐々に明らかになるにつれて小出しにする方がいいと思う。出鼻くじかれてテンポも悪いし。冒頭から「◯◯嬢!ここで君との婚約を破棄させてもらう!」とやってのける転生悪役令嬢ものを見習ってほしい。他にも話がまどろっこしいなあと思う箇所が所々あり、エピソードを取捨選択するコミカライズの作家目線になって読んでしまった。私が120ページ程度のハーレクインのコミカライズに慣れてしまったからかな。ブリジャートンに限らず大して活躍しない脇キャラが無駄に出てくるなと思うこと多いんだよね、ロマンス小説読んでると。あとあと!海外ではフィクションでもなかよしシーンに必ず避妊描写を入れるようにしていると聞いたことがあるんですが、それなら「サイモンの行動は当時の知見に基づいたもので、現代では間違ってることが分かっているのでよいこのみんなは真似しないでね」と注釈着けた方がいいのではと余計なことを考えてしまった。真似するキッズがいたら大変じゃん!?でもでも、それでも十分面白かったです。サイモンとダフネの好感度がアップしました。小説はお勧めできるんで興味あればぜひ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA