宝塚雪組「ファントム」感想最終版&雑感

前項と一纏めにしていたんですが長く読みにくいので分割しました。ここからはまたまた宝塚版「ファントム」の感想です。これで最後なのでどうかお付き合い下さい。

今回は3回目なので細かいところを観察したら皆さんかなり小さいところまで役作りしてるんですね。中央でメインの話が進んでいても端っこで小芝居が進行している。きっと台詞がない役でもキャラ設定があるんだろうなあ。「オペラ座で働く人の人となり」が伝わり、舞台に血肉を与えていました。最後ジャン・クロードを始め何人かが跪いてエリックの亡骸を見送ることに今回初めて気付いて静かに感動しました。また人数が多いからパリやビストロなどのシーンは華やかで楽しいですよね。カルメンの稽古でエリックが撹乱する場面も初見の時は「歌だけでなく踊りもできるんかい!」とツッコミ入れたけどどこかコミカルでお茶目。こういうシーンがあるから悲劇でもメリハリが付いて飽きないんだと思う。何回か観るうちによくできてるなーと気付きました。

あと何度見ても納得できない地下ピクニックのシーン。あれはクリスティーヌと母親を同一視していたエリックにとって、クリスティーヌはただの1人の女性に過ぎないということを直面化させる必要な通過儀礼だったのかなと考えると初めて腑に落ちるところがありました。それでも過酷すぎるけどな!ただし、どうせこの後すぐに死んじゃうじゃーんと思ってもそれを悟って成長できたことで彼の人生は意味あるものになったんじゃないかなと今は思います。

ここまで考察させてくれたのは望海さんと真彩さんの熱演があってこそ。2人がやりたかった演目というだけあってかなり深く役を読み込んでますよね。複数観ても鑑賞に耐え得る。技術が特出している人って技術面ばかり語られがちだけど(北翔さんもそうでしたよね)、宝塚ならではの華も兼ね備えてると思います。今回初めて宝塚を観た分際で何偉そうな事言ってるんだという感じですけど、すみれマジックと言うかあの世界でこそ輝く華ってあるんだなあと感じました。私がこれまで観た他の舞台ではなかなか見られないまばゆい煌めき。あの煌めきに魅せられて宝塚ファンの方は足繁く通うんだろうなということがぼんやり分かった気がします。でもそれは彼女たちが若さを燃やして得られる煌めきだから時間も限られてるしだからこそ美しいんだろうけど、その分1人でも多くの人に悔いを残さず活動して欲しい。皆がそう思うのも当然です。だから今、人事面で揉めてるみたいですけどああいうの見ると私やっぱりハマるの怖いやって思っちゃいますw 美しいものを見たいだけなのに汚い感情が湧いてやきもきするの疲れるんですよ。北翔さんの話を聞いた時も「現役時代ファンやってたら身がもたんわー」って思いましたもの。彼女って他の人に比べると若干「すみれマジック」のかかりが弱いタイプのように思えるんです。言い換えると外に出ても十分活躍できるってことですけど。でも私の他にそう思った人が彼女を専科送りにしたのかな使い勝手のよい駒として、でもどこに目付けてんじゃーい!あんなに技術も華も兼ね備えた人トップにしなかったら劇団バカにされるぞ!結果的にはトップになれたからマシなんだろうけど、誰かが頂点に立てば割りを食う人がいる、能力が数値化できるわけじゃないから万人が納得する結果にはならない。そんな世界は中にいる人も見てる方も辛いですよね。前に似たような特徴を持った分野にハマりかけたことあるから分かる…偉そうなことつらつら述べてすいません。ただ今後もいいものは追いかけたいという気持ちに変わりはないので、興味持った宝塚の演目があればまた観てみようと思います。最初の出会いがいいもので本当によかったなと思いました。

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