「朗読劇 アルセーヌ・ルパン813」感想

公演終わって3週間経ってしまった〜。早く感想書きたかったのに遅れた原因はあつ森と過眠のせい!!今月入ってから夜も昼も眠いんですよ身体が冬眠モードに入ってる私ですが12月の第一土曜日に朗読劇を観てきました。「ノサカラボ」という演出家の野坂実さん主催するところの、ミステリー作品の朗読劇プロジェクト。今回はアルセーヌ・ルパンを取り上げてくれた!「またホームズばっかり!」が口癖の私としては、三世でも娘でもない本家本元を取り上げてくれるのマジ感謝!(ホームズも好きだけどさw)ルパンを演じるのは国民的声優の関智一さん!!そんなにアニメ見ない私でも知ってる超有名人だよ!他に能登麻美子さんや井上喜久子さんや高木渉さんなどなど大御所揃いの豪華キャストの競演が生で見られるなんて!

演目は813!奇巌城と並ぶルパンシリーズ最高傑作と名高い作品!前から言ってるように、私の場合ルパンシリーズは読書体験だけ残っていて中身覚えてないことが多い。813に至っては未読か既読かさえおぼろげで、こんなんでファン名乗っていいのかおこがましいレベルなんですが。アバンチュリエでも連載始まったところで上巻だけ読んでおいたんです。すっごくいいところで終わってやきもきしたけど下巻は我慢しました。なのでオチを知らないまま観劇。

感想はと言うと面白かった!!こんなスケールのでかい話だったのね。ゴチャゴチャしないように公演の感想とストーリーの感想に分けますが、ネタバレありなのでご注意を。真犯人の名は明示しないけど一切のネタバレを嫌う方はここで回れ右してくらはい。

まず公演全体について。当たり前だけどみんなうまくて物語の世界に引き込まれてしまった、という月並みの感想しか出てこないw 快活で若々しい声のルパンを軸に、変幻自在に声を操る様は正に彼の変装のようでした。変装したキャラも関さんが演じるから観客は「ルパンの変装かな」と気付くけど、目を閉じたらまるで別人に聞こえるので物語の中にいるキャラと同様騙されてしまいそうになる。最後も湿っぽくなりすぎず、絶望の淵にあってもどこか軽妙さを残した人物像最高でした。原作には出てこない友人役のルブランは木村良平さん(私にとっては輪るピングドラム)、なぜルブランを出してきたのだろうと思ったけど、ルパンの拗らせぶりを見るにツッコミ役が必要だったのかなと考えた。主人公の癖に相当歪んでるルパンに好意的ではあるけれど、中立な立場の常識人を登場させてバランス取ったのかしら(下巻には出てくるよとかだったらごめんなさい)。ドロレスは私が見た回は能登麻美子さん(小松未可子さんとのダブルキャスト)。後半ルパンが惹かれるのもむべなるかなな儚げで麗しいヒロインでした。ビクトワールは井上喜久子さん(私にとってはナディアのグランディス、って古いわ!)。カテコで「17歳ですっ」が聞けたのが嬉しかったですw ジュヌビエーブは古賀葵さん。ちょうど真ん中の低い位置にいるのが彼女なんだけど、このお話はルパンが彼女の幸せを願ってしたことでもあるんですよね。そう考えると立ち位置にも意味があるのが分かります。パンフにあった「ルパンが求めても手に入らない光あふれる真っ当な存在」という説明がしっくり来ました。対して最上段にいるのが高木渉さん(コナンで有名だけど大河にも出てるよね?)演じるドイツ皇帝。ちょっとした間を設けるアドリブで会場を沸かせるのマジ職人技でした。私が見てたのは、ありえないくらいの角度が付いたサイドの席だったんですけど、どこから見ても違和感ないようなステージングで、朗読劇だけどアンサンブル以外衣装を着けていました。幕間はトリコロールカラーの照明で照らされていたのがニクかったです。

次に内容について。ネタバレ濃度が高くなるから注意してね。あの内容をよく2幕に纏めたな!と感心しました。目まぐるしく展開が変わるので詰め込みすぎないかと心配したけど杞憂でした。先にも書いたように下巻は未読だったんです。だから2幕からの展開はそう来るか!の連続、ドイツ皇帝まで巻き込んだスケールの大きい話になるしおなじみ歴史ネタも出てくるし。皇帝とも対等に張り合うルパン、彼にとっては人を評価する際身分なんてどうでもいいのでしょうが。そして、暗号解読お宝ゲット!かーらーのー真犯人判明そしてルパンの心の闇に帰着する展開がたまらない。今回ルパンのこじらせぶりがひどい。冒頭からやさぐれていたけど前作から続く「幸せ家族計画」まだ諦めてなかったのね。むしろ悪化してるし。「ぼくのかんがえたさいきょうのかぞくけいかく」が周囲の意思を全く考えてなくて、あの頭脳明晰なルパンがそこに気付けてないの震える。自分の野望(富と権力の掌握と心の平安を同時にゲットする欲張りコース)のために周囲の人を巻き込んで最終的にしっぺ返し食らうの、「試合に勝って勝負に負ける」って感じ。奇巌城の時はひたすらかわいそうだったけど今回は「そういうとこだぞww」と思ってしまったのも事実。パンフで森田先生が書いてるように、これはルパンの業の深さを描いた話でもあって、思春期じみたナイーブさと痛さに「うわっ恥ずかし!見てらんない!」となるんだけど、同時に堪らなく愛おしく思うんです。こういうタイプは女性の庇護欲を刺激してモテるんですわ(いきなり何を言い出すんだw)。

でもこれは子供には分かりませんね。まだ大人は万能と信じる年代の子供にとって、おっさんが心の弱いところ抉られて七転八倒してる姿は理解できないだろうし。子供向けに改変が加えられてるのその辺も考慮されたのかなあでも大人になって読み返す機会なければ「そういうもの」としてイメージが固定されてしまうから一長一短だと思うけど。

立ち止まって細部の整合性を考えると「こまけえことはいいんだよ」な気もするのですが、朗読劇だとこれくらい動きがある方がスリリングでむしろ面白い!つーかルパンはこの企画に最適な題材ではないか?変装の名人ぶりを七色の声色で表現とか素敵じゃん!続編の話もあるそうなんでぜひ実現していただきたいです。まだまだ原作ストックあるので!

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